首都圏の国公立大学はどこから入学しているのか

今回は大学改革支援・学位授与機構の「学校基本情報」をもとに、首都圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)の国公立がどこから入学しているのかを見ていきたいと思います。

首都圏の国公立大学は以下の通りです。

国立大学
・埼玉大学
・千葉大学
・お茶の水女子大学
・電気通信大学
・東京大学
・東京医科歯科大学
・東京海洋大学
・東京外国語大学
・東京学芸大学
・東京芸術大学
・東京工業大学
・東京農工大学
・一橋大学
・横浜国立大学

公立大学
・埼玉県立大学
・千葉県立保健医療大学
・東京都立大学
・神奈川県立保健福祉大学
・横浜市立大学

東京大学については東大・京大についての記事で触れているのでそちらを参照してください。

各大学の出身地は?

国立大学

地域農工大医科歯科大一橋大
北海道1.6%2.1%2.2%
東北3.9%0.7%2.0%
北関東5.5%6.4%3.3%
首都圏68.8%67.6%66.9%
甲信越6.1%4.3%2.9%
東海4.7%7.8%5.0%
近畿3.5%3.9%4.8%
中国2.3%2.8%1.8%
四国0.6%0.7%1.2%
九州1.9%2.8%3.5%
沖縄0.2%0.0%0.3%
自県42.2%43.8%38.2%
地域東工大千葉大電通大
北海道1.4%1.6%1.8%
東北2.1%6.5%4.9%
北関東3.9%8.0%7.2%
首都圏66.9%61.0%59.6%
甲信越3.1%6.3%4.9%
東海5.5%6.9%6.4%
近畿3.5%2.5%4.9%
中国2.4%1.5%3.0%
四国0.9%0.9%1.8%
九州3.5%3.0%2.9%
沖縄0.8%0.7%0.5%
自県35.6%28.8%30.6%
地域横国大芸大お茶の水
北海道1.9%2.8%1.7%
東北3.8%3.8%2.5%
北関東3.9%4.7%8.2%
首都圏58.2%57.3%56.0%
甲信越5.4%3.4%7.0%
東海9.2%9.6%8.2%
近畿5.6%7.2%3.2%
中国2.6%1.9%3.6%
四国1.4%2.3%1.5%
九州3.9%5.1%6.8%
沖縄0.6%0.2%0.2%
自県31.2%38.0%26.4%
地域東京外大海洋大学芸大埼玉大
北海道2.6%3.1%1.8%2.2%
東北2.9%3.5%8.5%14.8%
北関東5.1%3.9%9.2%14.8%
首都圏55.5%54.0%53.7%48.9%
甲信越4.8%5.3%7.8%7.6%
東海9.4%8.3%7.8%3.0%
近畿3.9%9.2%1.1%1.6%
中国2.9%3.7%3.4%2.1%
四国1.2%2.2%1.3%0.8%
九州4.9%5.0%3.7%1.8%
沖縄0.4%1.1%0.6%0.8%
自県33.4%24.1%31.0%28.4%

首都圏は国立大学の数が多く、四段になってしまいました。他の地域と異なり、同じ地域間での大学ごとの差はそこまで大きいわけではないです。

その中でも気になることといえば、旧帝一工と同じ括りにされることが多い一橋大学と東京工業大学の2大学が比較的首都圏比率が高いことです。この2大学がもう少し他の地域から入学するようになると認知度などの点でまた違ってくるのかもしれません。

逆に最も首都圏比率が低いのは埼玉大学です。内訳をみると東北地方や北関東地方の比率が高くなっており、新幹線も含めたアクセス面での影響が出ているのではないかと考えられます。

公立大学

地域千葉県大神奈川保健埼玉県大
北海道0.6%2.2%0.7%
東北1.1%3.0%4.7%
北関東7.8%3.0%15.0%
首都圏76.7%73.6%64.5%
甲信越5.6%3.9%7.1%
東海5.0%10.8%2.5%
近畿1.7%0.4%2.0%
中国0.0%1.7%1.0%
四国0.0%0.4%0.2%
九州1.1%0.0%1.2%
沖縄0.6%0.9%0.5%
自県71.1%61.0%52.7%
地域都立大横浜市大
北海道1.6%3.0%
東北3.3%6.5%
北関東5.5%5.9%
首都圏64.1%53.0%
甲信越7.2%6.3%
東海7.1%10.3%
近畿2.3%3.1%
中国2.6%2.2%
四国1.2%2.3%
九州2.8%3.3%
沖縄0.8%1.7%
自県37.8%39.6%

首都圏は人口に比して公立大学は多くありません。また、上段の3大学はすべて医療系であり、首都圏比率が高くなっています。

一方で東京都立大学と横浜市立大学は国立大学に引けを取らないくらい他の地域からの入学者がいます。この2大学の認知度はかなり高いこともこの数値を裏打ちしています。

学部別にはどうなっているのか

数は多いですが、国立大学と東京都立大学、横浜市立大学の2つを見ていきたいと思います。

埼玉大学

埼玉大学首都圏自県
経済学部(夜間)66.7%46.7%
理学部58.5%30.9%
教育学部(教員養成)58.4%39.5%
工学部49.3%25.3%
経済学部39.4%21.9%
教養学部29.9%19.5%

埼玉大学は最も首都圏比率が低いですが、それを担っているのは経済学部と教養学部の2つであることがわかります。他の地域では理系学部の地元比率が低くなりますが、首都圏についてはむしろ「送り出す」側になるので、理系学部は地元比率が高くなっているようです。

千葉大学

千葉大学首都圏自県
医学部(6年)89.0%25.4%
薬学部(6年)81.8%37.7%
薬学部(4年)77.8%27.8%
理学部67.2%32.8%
工学部61.3%28.5%
教育学部(教員養成)60.6%41.2%
園芸学部58.7%21.9%
法政経学部56.5%21.6%
文学部50.0%26.4%
国際教養学部48.4%15.4%
看護学部45.1%28.0%

千葉大学は首都圏で唯一医学部、薬学部、看護学部の3つを持っています(東京大学にもありますが、入学時に決められないので除外)。これらの医療系の学部はやはり首都圏の比率が高いです。また、文系学部特に国際教養学部と国立大学には珍しい単科の看護学部については他の地域からの入学者が多いようです(最初に書いたことと若干矛盾しますが)。

お茶の水女子大学

お茶の水女子大学首都圏自県
理学部66.2%31.5%
生活科学部53.1%26.9%
文教育学部51.6%23.0%

お茶の水女子大学は全国に2つしかない国立の女子大学ですが、比較的地元志向が強い女子を対象としているのもかかわらず、半数弱が他の地域からの入学者であることは特筆すべきことでしょう。

電気通信大学

電気通信大学首都圏自県
情報理工学部60.8%31.3%
情報理工学部(夜間)35.3%14.7%

電気通信大学は単科大学なので学部別の数値を見る必要はないのですが、夜間課程があるので昼夜の別を見てみます。以外に夜間課程で他の地域からの入学者がいます。

東京医科歯科大学

東京医科歯科大学首都圏自県
医学部(6年)76.0%65.0%
医学部(保健)72.3%34.0%
歯学部(口腔)52.9%32.4%
歯学部(6年)52.8%28.3%

東京医科歯科大学は学部としては2つですが、それぞれ医師と看護師・臨床検査技師、歯科医師と歯科衛生士・歯科技工士の年限の違う課程に分かれています。それを見てみると、医学部の2つの課程の比率が高く、歯学部の2つの課程が低くなっています。国立大学の歯学部は全国でも少ないため、他の地域から入学していると考えられます。

東京海洋大学

東京海洋大学首都圏自県
海洋資源環境学部55.8%22.1%
海洋生命科学部55.5%25.8%
海洋工学部51.2%23.5%

東京海洋大学は海に関する学部が並んでいます。3学部ありますがどの学部も比較的理系よりの内容であることと、大学自体が全国唯一であることから、3学部の数値は似通っています。

東京外国語大学

東京外国語大学首都圏自県
言語文化学部58.6%34.4%
国際社会学部58.4%37.3%
国際日本学部30.0%12.5%

東京外国語大学は数年前に外国語学部単科をやめて言語文化、国際社会の2つの学部に分け、さらに最近国際日本学部を新設しました。国際日本学部は留学生を一定数入学させているため、結果的に首都圏比率が下がっています。それ以外の2学部の数値は似ています。

ちなみに外国語学部のカリキュラムについてはこちらを参照してください。

東京学芸大学

東京学芸大学首都圏自県
教育学部(教員養成)56.1%32.9%
教育学部(教員養成以外)43.0%22.3%

東京学芸大学も学部としては1つですが、教員免許を要する課程とそうでない課程に分かれているため、その比較をしてみます。

これはどの地域も共通ですが、教員養成課程の方が首都圏比率が高く、そうでない課程は低くなっています。

東京芸術大学

東京芸術大学首都圏自県
美術学部64.1%41.5%
音楽学部50.6%34.6%

東京芸術大学は美術学部で首都圏比率が高く、音楽学部で低くなっています。やはり国立の音楽学部が少ないことが影響しているのでしょうか。

東京工業大学

東京工業大学首都圏自県
生命理工学院72.9%38.1%
物質理工学院70.4%36.0%
情報理工学院67.7%37.4%
工学院64.1%32.9%
環境・社会理工学院62.8%37.9%

東京工業大学は大学院一貫教員を目指しており、入学時は学院別というかなり珍しい形をとっています。学院ごとに違いがありますが、生命理工学院は横浜市キャンパスがあるため、首都圏比率が高いのではないかと推測されます(自県は東京都の比率です)。

東京農工大学

東京農工大学首都圏自県
農学部71.8%43.7%
工学部67.4%42.3%
農学部(6年)66.7%30.8%

東京農工大学は農学部と工学部ですが、農学部には獣医養成課程があり、その分が独立しています。

すべて理系学部であるため、大きな違いがあるかといわれると微妙なところです。

一橋大学

一橋大学首都圏自県
社会学部73.6%41.3%
経済学部66.1%35.3%
商学部63.9%38.1%
法学部63.7%38.5%

一橋大学は社会学部で首都圏比率が高くなっています。しかしこれといってほかに特徴はありません。今後文理融合型の新学部の設置が予定されており、この学部ができると変化があるかもしれません。

横浜国立大学

横浜国立大学首都圏自県
教育学部(教員養成)64.5%49.3%
理工学部63.7%35.4%
都市科学部55.7%23.8%
経済学部50.2%21.6%
経営学部49.8%23.4%

国立大学最後は横浜国立大学です。横浜国立大学は理系学部が少なく、社会科学系学部が多くなっています。それらの学部が首都圏比率が低くなっています。ちなみに都市科学部は教育学部の教員養成課程以外と建築系の学科の融合学部であり、比率としても中間となっています。

東京都立大学

学部名首都圏自県
理学部72.9%45.7%
都市環境学部68.1%39.2%
システムデザイン学部67.4%36.9%
法学部66.8%38.3%
人文社会学部60.0%35.2%
健康福祉学部60.0%39.5%
経済経営学部50.5%29.7%

東京都立大学は首都大学東京時代の学部と東京都立大に名称を戻す前後に以前の名称に近い学部に戻したものが混在しています。その中でも都市環境学部やシステムデザイン学部は理系学部となっています。一番首都圏比率の高い理学部を加えて、ここでも理系学部が首都圏比率が高く、文系学部が低くなっています。

横浜市立大学

学部名首都圏自県
医学部(6年)86.7%44.4%
理学部77.2%63.4%
医学部(4年)74.5%62.3%
データサイエンス学部63.5%46.0%
国際教養学部37.8%29.2%
国際商学部36.3%27.8%

横浜市立大学には首都圏で唯一の公立大学の医学部があります。また、全国でも数少ないデータサイエンス学部も有しています。さらには国際教養学部を持つなど、かなり独自な学部構成となっています。ただし、比率の点を見るとやはり理高文低となっています。国際教養学部と国際商学部については静岡県、愛知県の比率が高くなっているのは新幹線の路線と無関係ではないでしょう。

データサイエンス学部のカリキュラムについてはこちらで紹介しています。

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