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授業方法の種類は?
科目の種類は大きく以下の5つに分けられます。
種類 | 授業時間(1単位) | 主な目的 |
講義 | 15~30時間 | 知識や技能の伝達を目的としたもの |
演習 | 15~30時間 | 知識や技能の定着を図るもの |
実習 | 30~45時間 | 実際の現場等で行うもの |
実験 | 30~45時間 | 理論を実験で確かめるもの。理系学部に多い |
実技 | 30~45時間 | 実際に制作作業などを行うもの。芸術系学部に多い |
大学や短大は講義が主となり、それを補強する形で演習や実習・実験・実技が行われます。よく大学が「理論が中心となる」という表現をされることがありますが、科目の構成にもそれは現れています。
その一方で大学・短大でも資格取得を目的としたもの、また一般的な専門学校においては演習の比率が高くなります(学科によっては半分以上が演習科目ということもあります)。専門学校が「実践的である、技術を身につける」という表現をされることがあるのは、カリキュラムの大学との対比にも表れています。
科目の種類は?
大学・短大・専門学校とも科目は大きく教養科目と専門科目に分けられます。
教養科目とは?
教養科目は、「共通科目」「総合科目」「一般科目」などという名称になっていることもありますが、「アカデミックスキル科目」「外国語」「教養科目」「キャリアデザイン科目」などが含まれます。
アカデミックスキル科目は大学での勉強の仕方など、高校までの学習形体との違いを理解してスムーズに「学生生活」に移行できるようにする科目です。
※高校までは生徒ですが、高等教育以上は学生といいます。大学生で自分たちのことを生徒という人もいますが、高校生が児童【小学生】と言っているようなものなので注意しましょう
また、大学の自校史の科目が合ったり、宗教系の大学だと、例えば「キリスト教概論」「仏教概論」などが必修になることもあります。
外国語については日本人の学生であれば、英語が基本になり、大学によっては第二外国語が必修になることもあります。第二外国語はなるべく履修するようにしましょう。単に語学を学ぶというだけではなく、英語文化圏以外の文化を相対的に学ぶことができるという利点があります。
教養科目は一般的に想像されている科目に近いです。昔からの科目名であれば「心理学」や「経済学」などが有名かと思いますが、最近では「世界の中の日本」など現実社会に即した科目に変わりつつあります。
最後にキャリアデザイン系の科目ですが、これらの科目は比較的新しい科目ですが、近年のキャリア教育重視の流れのもとで、多くの大学で必修化されています。多くは「キャリアデザイン」などの直接的な名前の科目が設置されています。
専門科目の比率は?
専門科目については説明する必要はないかと思います。その分野によって科目が異なります。
では、専門科目は全体のカリキュラムの中でどれくらいの比率になるでしょうか?
一般的に大学・短大では「教養:専門=1:3」の比率になっています。大学は124単位以上なので、教養30単位前後、専門90単位前後となります。短大であればその半分なので、教養15単位前後、専門45単位前後となります。
ただし、後ほど書きますが、教養科目と専門科目の中から自由に選択できる範囲が決められている学部もあり、そこでは教養科目の比率を高くすることができます。
一方で専門学校では教養科目というものは基本的にないか、非常に低い割合になっています。全体の科目のうち教養科目の比率が10%を超えている学校はないと言えるでしょう。しかも演習科目が多いので授業時間での比率だともっと少なくなります。「専門」学校なので、専門科目に力を入れているわけです。
必修と選択
科目を見ていると「必修」とか「選択」という言葉が記載してあることに気づきます。大きくは「必修」「選択必修(選必)」「必履修」「選択」「自由」という5つにわけることができます。これは大学・短大・専門学校どこでも同じです。
必修はわかりやすいです。絶対に習得しなければいけない科目なので、単位数が揃っていても1つでも必修科目を落としていたら卒業できません。
選択必修は注意が必要な科目です。選択必修には大きく2つあります。1つはコース制でそのコースで必修となっていたり、卒業論文と卒業研究のように同じ内容でアプローチが違うものをどちらか選択する場合です。この場合は必修科目と同じと思っていいでしょう。
一方で「10科目の中から4科目を選択必修」などと書かれている場合には、ほとんど必修という意味合いはありません。もちろん選択科目と比べて、少しだけハードルが高いですが、単位が取りやすい楽な科目に流れやすかったり、全員がバラバラに履修するため卒業時点での知識に差が出たりしてしまいます。
もう1つ注意が必要な科目が、必履修科目です。これは必修科目と同様に必ず履修しなければなりません。しかし、この単位を取得できなくても卒業できてしまいます。履修しなければならないので単位を取らないと損になります。ですから心理的なハードルは高くなりますが、仮に取れなくても問題ないので、未修得の可能性があります。選択必修の項目と同様に卒業時点での知識の差につながる可能性があります。
最後に選択科目と自由科目ですが、これは縛りの少ない科目なので、特に説明することはありません。ただし、自由科目の中には「卒業単位には加算しない」などの条件がつくことがありますので、履修要項等をよく読むことをお勧めします。
成績はどうやってつくのか?
成績についてはほとんどの大学でGPAという制度が取られています。多くの学校ではS=4点、A=3点、B=2点、C=1点、D=0点として、各科目の単位数×成績点の合計を「履修登録した単位数」で割ったものです。点数の割り振りは大学・短大・専門学校によって異なります。
計算自体は成績処理の時に計算されて出てくるので、それほど重要ではないですが、卒業時に「GPA1.5以上」などの制約が付く場合がありますので注意してください。
GPAを採用するにはいくつかメリットがあります。大きくは以下の2つです。
1.成績が一目でわかる
2.無駄な履修登録が防げる(分母が増えると成績が伸びないため)
一方でこれを絶対的な基準にするのも少し問題があります。それには以下の理由があります。
1.成績区分が広すぎる(100点満点が4点満点に圧縮)
2.科目によって成績分布が異なるため、楽な単位に流れやすくなる
3.常にインフレ圧力がある(低い点を付けられないし、留年比率も気になる)
GPAがきちんと機能するためには、カリキュラムの仕組みと成績評価の仕組みがしっかりしていることが求められます。選択科目だらけのカリキュラムでGPAの信用度が低くなることは容易に理解できると思います。
最後に
ここまで履修の方法をまとめました。これから大学や専門学校に通う方は、このあたりのことを理解してカリキュラムを組むことをお勧めします。