ここまで看護師、リハビリテーション系、医療技術系の資格のカリキュラムを紹介してきました。ここではそれ以外の資格のカリキュラムについて見てみます。
具体的には、救急救命士、はり師・きゆう師・あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師です。これらの資格は大学よりも専門学校で教えられることが多い分野です。
Contents
救急救命士のカリキュラム
救急救命士のカリキュラムは救急救命士学校養成所指定規則(平成27年4月改訂)に規定されています。カリキュラムは以下の通りです。
大科目 | 小科目 | 単位数 |
基礎分野 | 科学的思考の基盤、人間と人間生活 | 8 |
専門基礎分野 | 人体の構造と機能 | 4 |
疾病の成り立ちと回復の過程 | 4 | |
健康と社会保障 | 2 | |
専門分野 | 救急医学概論 | 6 |
救急症候・病態生理学 | 8 | |
疾病救急医学 | 8 | |
外傷救急医学 | 4 | |
環境障害・急性中毒学 | 1 | |
臨地実習 | 25 | |
総計 | 70 |
臨地実習が25単位と非常に多いです。資格取得までに必要な単位数が70単位と少ないこともあり、全体の3分の1以上が臨地実習に割かれています。臨地実習のなかでもシミュレーションや救急用自動車同乗実習などが含まれることが指定されています。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師のカリキュラム
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師のカリキュラムはあん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則(平成29年4月改訂)に規定されています。
普通に書くと「マッサージ」、「きゅう」ですが規則上は「マツサージ」「きゆう」となっています。
また、これらの資格は単独または複数の資格を同時に取得することが想定されており、1種類取得3パターン、2種類取得2パターン、3種類全部取得1パターンのトータル6パターンすべてで必要単位数が異なります。もちろん全部取得するパターンが一番多く一番少ないあん摩マッサージ指圧師単独取得と15単位も違います。
今回は一番少ない単位数と一番多い単位数の幅で表記します。
大科目 | 小科目 | 単位数 |
基礎分野 | 科学的思考の基盤、人間と人間生活 | 14 |
専門基礎分野 | 人体の構造と機能 | 12 |
疾病の成り立ち、予防及び回復の促進 | 12 | |
保健医療福祉とあん摩マツサージ指圧、はり及びきゆうの理念 | 3 | |
専門分野 | 基礎あん摩マツサージ指圧学、基礎はり学、基礎きゆう学 | 7~9 |
臨床あん摩マツサージ指圧学、臨床はり学、臨床きゆう学 | 11~15 | |
社会あん摩マツサージ指圧学、社会はり学、社会きゆう学 | 2 | |
実習 | 10~19 | |
臨床実習 | 4 | |
統合領域 | 10 | |
総計 | 85~100 |
実はこれらの資格は平成29年の改定により単位数が7~9単位増加しています。これまでは77~93単位で資格が取得できていたものが85~100単位になりました。結果として取得する資格によっては看護師や理学療法士などの資格よりも学修を必要とするようになりました。
柔道整復師のカリキュラム
柔道整復師のカリキュラムは柔道整復師学校養成施設指定規則(平成29年4月改訂)に規定されています。カリキュラムは以下の通りです。
大科目 | 小科目 | 単位数 |
基礎分野 | 科学的思考の基盤、人間と生活 | 14 |
専門基礎分野 | 人体の構造と機能 | 15 |
疾病と障害 | 11 | |
柔道整復術の適応 | 2 | |
保健医療福祉と柔道整復の理念 | 8 | |
社会保障制度 | 1 | |
専門分野 | 基礎柔道整復学 | 10 |
臨床柔道整復学 | 17 | |
柔道整復実技 | 17 | |
臨床実習 | 4 | |
総計 | 99 |
柔道整復師についても平成29年の改訂により、資格取得に必要な単位数が85単位から99単位に引き上げられました。臨床実習もその中で追加された項目です。現在のカリキュラムは非常に負担の大きいカリキュラムだと言えるでしょう。
その他の医療系資格カリキュラムまとめ
救急救命士、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師のカリキュラムは以下の通りです。
科目名 | 救急救命士 | はり師・きゅう師 あん摩マッサージ指圧師 | 柔道整復師 |
基礎分野 | 8単位 | 14単位 | 14単位 |
専門基礎分野 | 10単位 | 27単位 | 37単位 |
専門分野 | 52単位 | 44~59単位 | 44単位 |
うち臨地(臨床)実習 | 25単位 | 4単位 | 4単位 |
総計 | 70単位 | 85~100単位 | 99単位 |
上の表を見てわかるように、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師については非常に負荷の大きいカリキュラムになっています。これらの資格は主に専門学校で取得できますが、平成29年の改定により、単純計算で授業時間が200~250時間前後(科目の種類によります)増えたことになります。
これらの資格を目指す人は参考にしてください。