近畿の国公立大学はどこから入学しているのか

今回は大学改革支援・学位授与機構の「学校基本情報」をもとに、近畿地方の国公立がどこから入学しているのかを見ていきたいと思います。

近畿地方の国公立大学は以下の通りです。

国立大学
・滋賀大学
・滋賀医科大学
・京都大学
・京都教育大学
・京都工芸繊維大学
・大阪大学
・大阪教育大学
・神戸大学
・兵庫教育大学
・奈良教育大学
・奈良女子大学
・和歌山大学

公立大学
・滋賀県立大学
・京都市立芸術大学
・京都府立大学
・京都府立医科大学
・福知山公立大学
・大阪市立大学
・大阪府立大学
・兵庫県立大学
・神戸市外国語大学
・神戸市看護大学
・芸術文化観光専門職大学
・奈良県立大学
・奈良県立医科大学
・和歌山県立医科大学

このうち京都大学は東大・京大に関しての記事で触れているのでそちらを参照してください。

また、大阪大学については旧帝大についての記事で触れているのでそちらを参照してください。

各大学はどの地域から入学しているのか

国立大学

地域和歌山大滋賀医大兵庫教大
北海道0.7%0.0%0.0%
東北0.4%0.0%0.0%
北関東0.1%1.3%0.6%
首都圏0.6%4.5%0.0%
甲信越1.4%0.6%1.2%
東海2.9%1.9%3.6%
近畿86.8%85.8%80.7%
中国2.4%3.2%6.6%
四国2.0%1.3%4.2%
九州1.6%0.6%1.8%
沖縄0.1%0.0%0.6%
自県29.0%34.2%73.5%
地域奈良教大京都工芸大大教大
北海道1.1%0.8%0.5%
東北1.1%1.0%0.5%
北関東1.5%0.3%0.3%
首都圏0.4%2.4%1.3%
甲信越1.5%5.3%1.6%
東海8.2%5.3%4.0%
近畿75.8%73.9%73.5%
中国5.2%3.7%7.1%
四国2.2%1.5%3.2%
九州2.2%3.1%3.3%
沖縄0.0%0.3%0.1%
自県30.9%29.5%43.8%
地域京教大神戸大滋賀大奈良女大
北海道0.6%1.1%0.6%1.0%
東北1.2%0.4%0.2%1.0%
北関東0.3%0.8%0.9%1.4%
首都圏1.2%3.7%1.0%3.8%
甲信越5.0%5.1%7.7%8.0%
東海5.9%7.0%21.7%14.8%
近畿70.8%63.6%57.1%53.3%
中国6.8%8.2%3.2%5.4%
四国5.0%4.8%2.2%3.8%
九州3.1%4.2%2.4%5.0%
沖縄0.0%0.4%0.6%0.0%
自県32.9%22.6%21.4%10.6%

近畿比率の高い順に上段左から右、次に二段目の左から右という形で並んでいます。

近畿比率が高い大学はやはり教育大学が多くなっています。その中でも和歌山大学は近畿比率は高いが、自県比率は低い代表格となっています。こういう大学は岐阜大学や佐賀大学などがあります。

逆に低い大学は順に奈良女子大学、滋賀大学、神戸大学となっています。奈良女子大学はお茶の水女子大学とならぶ日本で2つだけの国立の女子大学であり、その希少性から志望者を集めていると考えられます。また、滋賀大学は立地的に東海地方と隣接していることから東海地方の比率が高くなり、その分近畿比率が低くなっています。

最後に神戸大学については関東の一橋大学と同じ近畿の大阪市立大学と並んで三商大と称される伝統ある大学で、予備校によっては旧帝大に次ぐポジションに位置付けているところもあります。そういう大学ですので、他の地域からも希望者が多いと考えられます。

公立大学

地域奈良県医大京都府医大和歌山医大
北海道0.0%0.5%0.4%
東北0.0%0.0%0.0%
北関東0.0%0.5%0.4%
首都圏3.0%3.6%2.8%
甲信越0.0%0.5%1.4%
東海1.5%4.7%5.7%
近畿91.4%86.5%84.7%
中国1.0%2.1%2.8%
四国1.0%0.5%0.7%
九州1.0%0.5%0.7%
沖縄0.0%0.0%0.0%
自県43.4%53.1%37.4%
地域京都市芸大大阪市大神戸市看護
北海道1.0%0.3%0.0%
東北0.0%0.1%0.0%
北関東1.0%0.2%0.0%
首都圏0.5%0.8%2.1%
甲信越1.5%1.9%0.0%
東海4.5%4.9%5.3%
近畿83.0%82.3%82.1%
中国3.5%3.6%2.1%
四国1.5%2.7%2.1%
九州2.5%1.4%4.2%
沖縄0.5%0.1%2.1%
自県23.0%47.2%72.6%
地域大阪府大兵庫県大奈良県大
北海道0.3%0.5%2.0%
東北0.4%0.1%0.0%
北関東0.1%0.2%2.7%
首都圏1.0%0.2%0.7%
甲信越1.6%1.4%0.7%
東海5.0%3.5%9.3%
近畿80.4%80.3%79.3%
中国4.9%5.7%0.7%
四国3.1%4.3%3.3%
九州1.9%2.6%0.7%
沖縄0.3%0.5%0.7%
自県46.6%60.2%11.3%
地域滋賀県大京都府大神戸外国語
北海道0.8%0.6%2.5%
東北0.5%0.4%0.0%
北関東0.0%0.0%1.3%
首都圏0.5%3.3%1.3%
甲信越3.7%2.5%5.2%
東海16.6%9.1%11.0%
近畿75.7%73.0%53.7%
中国1.3%4.1%10.1%
四国0.3%3.7%4.7%
九州0.3%2.9%7.2%
沖縄0.0%0.2%2.0%
自県37.4%40.5%29.2%
地域福知山公大芸文観光専
北海道2.5%7.1%
東北2.9%9.5%
北関東1.5%4.8%
首都圏0.5%9.5%
甲信越13.2%8.3%
東海17.6%6.0%
近畿36.8%32.1%
中国10.3%10.7%
四国5.9%2.4%
九州6.9%7.1%
沖縄1.5%2.4%
自県15.7%17.9%

近畿地方には公立大学が非常に多いため五段にわたってしまいました。公立大学は単科に近い大学が多く、医療系の大学が近畿比率が高くなっています。

一方で近畿地方には大阪市立大学、大阪府立大学(この2大学はは統合して大阪公立大学になりますが)、京都府立大学など比較的歴史があって、複数の学部を設置している大学があります。ただし、これらの大学も決して近畿比率が低いわけではありません。近畿は人口規模が大きいため、他の地域から集める必要もなく近隣から集まってしまうということかもしれません。

逆に近畿比率が低い大学として、福知山公立大学と芸術文化観光専門職大学が挙げられます。これらの大学は設置している学部系統が特殊だということもありますが、近畿比率が低いのはその立地にあると考えられます。

福知山公立大学は京都府福知山市に、芸術文化観光専門職大学は兵庫県豊岡市にあります。ともに京都府や兵庫県など人口の大きな府県にありながらターミナル駅からは大きく離れており、近隣人口はそれほど大きくありません。そのため、近畿からはあまり入学がなく、その分を他の地域からの入学者で埋めているということになります。

その証拠に福知山公立大学は数年前に公立化しましたが、それまでは私立大学であり、定員割れの常連で少しずつ入学定員を削減していました。

学部別に違いはあるのか?

近畿地方は大学が多いので4学部以上を有する大学を見ていきたいと思います。

滋賀県立大学

滋賀県立大学近畿自県
工学部84.3%36.5%
人間看護学部80.0%47.1%
環境科学部75.9%34.8%
人間文化学部67.5%37.3%

滋賀県立大学は滋賀大学にない学部が多数設置されています。その中でも理系学部である工学部が最も近畿比率が高く、人間文化学部が最も低くなっています。しかし、それでも3分の2が近畿地方出身となっています。

滋賀大学

滋賀大学近畿自県
教育学部(教員養成)77.8%39.5%
経済学部(夜間)61.4%9.1%
データサイエンス学部52.0%19.0%
経済学部45.8%12.8%

次に滋賀大学です。滋賀県立大学と比較して相対的に近畿地方比率が低くなっています。最近新設されたデータサイエンス学部は約半数が近畿地方以外からの進学者となっています。

大阪市立大学

大阪市立大学近畿自県
医学部(6年)89.4%53.2%
医学部(4年)89.3%57.1%
工学部88.2%53.0%
理学部86.9%50.0%
法学部80.7%49.4%
生活科学部79.5%51.2%
経済学部78.7%37.4%
文学部77.4%46.3%
商学部76.9%39.9%

大阪市立大学は神戸大学で触れたとおり、三商大として知られています、その言葉通り、商学部が最も近畿比率が低くなっています。それでも4分の3は近畿地方からの入学であり、地域的な多様性はそこまで高くありません。やはり近畿地方の人口が多いことが影響しているのではないかと思います。

全体を通してみて理系学部の比率が高く、文系学部の比率が低くなっています。

大阪府立大学

大阪府立大学近畿自県
生命環境科学域86.8%53.0%
現代システム科学域83.4%50.3%
地域保健学域(看護・リハ)81.7%54.0%
生命環境科学域(6年)75.6%39.0%
工学域75.2%38.4%
地域保健学域(教育福祉)70.7%37.9%

大阪府立大学は大阪市立大学と同じ大阪府にある公立大学です。2022年度にはこの2大学は統合して大阪公立大学となりますが、学部はほぼ現在の形で継続することになるので、あまり変化はないかと思います。

そういった中で大阪府立大学は既存学部とは少し学部構成が異なります。近畿比率が高いのは生命環境、現代システム科学、地域保健の看護リハビリ系で、生命環境の獣医、工学、地域保健の教育福祉となっています。近畿地方の大学は理系学部が近畿比率が高くなる傾向がありますが、大阪府立大学は逆の結果となっています。

奈良女子大学

奈良女子大学近畿自県
理学部70.9%13.2%
生活環境学部49.2%9.4%
文学部41.5%9.4%

奈良女子大学は学部が3つで先ほどのルールからは外れますが、学部ごとの差が大きいのであえて記載します。

奈良女子大学は文学系、理学系、家政系の3学部からなりますが、理学部のみが近畿比率が高く、残りの学部が低くなっています。これは文学系統や家政系統に国立女子大学の希望者が多いことを示しています。

神戸大学

神戸大学近畿自県
農学部74.0%17.9%
海洋政策科学部72.5%25.5%
医学部(6年)72.3%38.4%
工学部70.7%24.3%
理学部66.0%21.4%
医学部(4年)62.0%30.1%
国際人間科学部59.4%22.5%
法学部57.1%17.6%
経営学部54.9%20.5%
経済学部54.2%15.3%
文学部52.3%21.5%

神戸大学は完全に理高文低の傾向が出ています。この中であえて意外だと思うのは海洋政策科学部です。この学部は神戸商船大学が前身であり、海洋科学部として神戸大学に統合されました。全国的にも珍しい学部でなおかつ文理融合系の学部なので、もう少し近畿比率が低くても良いかと思いましたが、農学部に次いで2番目に近畿比率が高くなっています。

兵庫県立大学

兵庫県立大学近畿自県
工学部92.6%72.1%
看護学部80.0%66.7%
理学部78.1%44.9%
環境人間学部77.9%64.4%
国際商経学部73.6%55.2%
社会情報科学部68.3%46.5%

兵庫県立大学は神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の3大学が統合してできた大学なので、それを受け継いだ学部構成となっています。

そのため学部も非常に多岐に渡っていることはもちろんですが、キャンパス自体も学部ごとに分かれています。同一の理系学部である理学部と工学部でこれだけ近畿比率が異なるのはこのキャンパス配置も影響していると考えられます。

和歌山大学

学部名近畿自県
教育学部(教員養成)94.7%56.7%
システム工学部94.3%15.4%
経済学部85.0%32.4%
観光学部61.5%19.2%

最後に和歌山大学です。和歌山大学は上に触れたとおり、近畿比率は高いですが、自県比率の低い大学となっています。

その中でも国立の観光学部は全国的にも珍しい学部(私立大学には類似学部がたくさんありますが)であり、比較的他の地域からの入学者が多いと考えられます。

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