東大・京大の入試比較

東大と京大の入試については様々な分析がされています。しかしそれぞれの大学がどういう能力を期待しているかを分析したものはあまりありません。そこで今回はどういう能力が求められているかを東大と京大の入試を比較しながら見ていきたいと思います。

入試要項は2020年度のものを参照しました。2021年からは入試制度の大幅な変更がありますが、二次試験を含めた全体像はあまり変わらないと思います。

東京大学(2020年度)

京都大学(2020年度)

類似点

学力試験での選抜がほとんど

下の表は2020年度の東大入試の試験区分別の募集人数とその比率です。

96.7%が学力試験による一般入試として募集されています。

試験区分人数比率
一般入試2,960 96.7%
推薦入試100 3.3%

次に京大入試の試験区分別の募集区分です。

京大も募集定員のうち94.4%が一般入試に充てられています。

試験区分人数比率
一般入試2,663 94.4%
特色入試158 5.6%

これだけの比率を一般入試に充てている大学は旧帝大以外ではほぼありません。

科目数が非常に多い

東大も京大もセンター試験は文系で5教科(6教科)8科目(国語、英語、数学ⅠA、数学ⅡB、地歴・公民×2【地歴×2もしくは地歴×1、公民×1】、理科基礎×2)、理系で5教科7科目(国語、英語、数学ⅠA、数学ⅡB、地歴・公民×1、理科×2)が課せられています。

また、二次試験も京大の一部例外(経済学部の理系入試)を除いては文系で4教科(国語、英語、数学、地歴)、理系で4教科(国語、英語、数学、理科)が課されています。

さらに東大の文系二次試験の地歴は2科目が必要となります。理系は東大・京大ともに理科は2科目となります。

入試は文系と理系で大きく二通り

入試は上記の通り大きく文系型と理系型に分けられています。

例外は京大の経済学部理系入試と教育学部理系入試で、理科が軽減されています(経済学部は理科なし、教育学部は理科1科目)。ただし、この2学部に理系入試を用意しているところが京大らしいところだと思います。東大は入学後の進学振り分けで進学する道があるため、この両学部は文系型の入試のみとなっています。

相違点

共通性のある東大と学部で異なる京大

以下は東大のセンター試験と二次試験の配点です。センター試験は全体の900点満点を110点に圧縮しますが、便宜的に科目別に圧縮しました。

センター試験国語地歴公民数学理科外国語合計
文科24.4 24.4 24.4 12.2 24.4 110 
理科24.4 12.2 24.4 24.4 24.4 110 
二次試験国語地歴数学理科外国語合計
文科120 120 80 120 440 
理科80 120 120 120 440 

全学部を共通してもこれだけです。科類別入試を実施しているということもあり非常に共通性の高い内容となっています。

一方以下は京大の配点です。

センター試験国語地歴公民数学理科外国語合計
総合人間学部(文系)50 100 150 
文学部50 50 50 50 50 250 
教育学部(文系)50 50 50 50 50 250 
法学部200 100 200 200 200 270 
経済学部(文系)50 50 50 50 50 250 
総合人間学部(理系)100 100 
教育学部(理系)50 50 50 50 50 250 
経済学部(理系)50 50 50 50 50 250 
理学部50 25 50 50 50 225 
医学部(医学科)50 50 50 50 50 250 
医学部(人間健康科学科)50 50 50 50 50 250 
薬学部50 50 50 50 50 250 
工学部50 100 50 200 
農学部100 100 50 50 50 350 
二次試験国語地歴数学理科外国語合計
総合人間学部(文系)150 100 200 200 650 
文学部150 100 100 150 500 
教育学部(文系)200 100 150 200 650 
法学部150 100 150 150 550 
経済学部(文系)150 100 150 150 550 
総合人間学部(理系)150 200 200 150 700 
教育学部(理系)150 200 100 200 650 
経済学部(理系)150 300 200 650 
理学部150 300 300 225 975 
医学部(医学科)150 250 300 300 1,000 
医学部(人間健康科学科)150 200 200 200 750 
薬学部100 200 200 200 700 
工学部100 250 250 200 800 
農学部100 200 200 200 700 

京大は上が文系型、下が理系型として分けました。東大と比較しても配点がばらばらであることがわかると思います。センター試験については試験を受けさせるが採点対象としない学部もあります。

京大は入学時点で学部が決まるという特性があるため、入試時点で求める能力の特徴がより明確に表れています。

センター試験と二次試験どちらを重視するか

上記の表からわかる通りセンター試験と二次試験のどちらを重視するかも共通性と学部独自の特徴が表れています。

東大は試験も共通であるためセンター試験と二次試験の比率も同じです。

学部センター試験二次試験
文科20%80%
理科20%80%

一方で京大は学部によってバラバラです。

学部センター試験二次試験
総合人間学部(文系)18.8%81.3%
文学部33.3%66.7%
教育学部(文系)27.8%72.2%
法学部32.9%67.1%
経済学部(文系)31.3%68.8%
総合人間学部(理系)12.5%87.5%
教育学部(理系)27.8%72.2%
経済学部(理系)27.8%72.2%
理学部18.8%81.3%
医学部(医学科)20.0%80.0%
医学部(人間健康科学科)25.0%75.0%
薬学部26.3%73.7%
工学部20.0%80.0%
農学部33.3%66.7%

総じて京大はセンター試験の配点が高いと言えます。特に文系学部は30%前後がセンター試験の配点となっています。これは他の国立大学と比較すると低いですが、東大が20%ということを考えるとやや高いと言えます。

その中で総合人間学部と理学部はセンター試験の配点が低く二次試験が重視されています。この2学部とも京大らしい学部であることから二次比率が高いことも納得です。

推薦入試・特色入試も基準が異なる

東大も京大も名称こそ異なるものの推薦を要する試験があります。

センター試験を一般入試と同じ科目を課されていますが、その取扱いとそれ以外の試験内容が異なります。

まずセンター試験については東大は 基礎学力のため8割以上の得点が必要とは書かれていますが、 点数が高ければ良いと書いてありません。一方で京大は判断項目の中にセンター試験も含まれているため、センター試験の点数も反映する可能性が高いです。

また、センター試験以外の入試内容ですが、面接試験は共通となっていますが、東大は試験は面接のみである一方で京大はそれ以外に学部ごとに独自の項目を課しています(論文や総合問題等)。

ここでも京大は学部ごとの特徴を出した入試となっています。

入試から見る入学後に求める能力

東大が欲しいのはオールラウンダー

東大は非常に共通性が高い入試となっています。これは入学後に進学振り分けがあることから最大公約数的に学力の高い受験生を選抜したいという意図が表れていると思います。

入学時の学力が高い人が選抜されていますが、そこに学部ごとの特徴はありません。ちょっと語弊があるかもしれませんが、学力に色がついていない状態です。この状態から卒業時の能力を高めるためには入学後の教養課程での学修が非常に重要になります。

京大が欲しいのは尖った人材

ありきたりですが、京大は尖った人材を選抜したいと考えています。ただ入試なので選抜できる能力には限りがあります。

そういう視点から見ると京大の考え方が表れているのは総合人間学部と理学部になるかと思います。特に理学部は数学と理科の配点が非常に高く、平均的にできる受験生よりはこの2教科が得意な受験生が受かりやすくなっています。

京大は東大よりも自然科学系の学部の比率が高いため、大学全体としても尖った人材が多くいることになります。

東大と京大の定員についてはこちらを参照

そういう人たちが入学するので京大は4年間の自由な時間を提供しています(最近はこれで迷子が増えて見直しされているようですが)。

東大と京大のカリキュラムについてはこちらを参照

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