東大・京大の入学定員はどう推移しているのか?

日本のトップ大学として認知されている東京大学と京都大学ですが、入学定員がどのように推移しているのか調べてみました。大学の入学定員は年度が替わるごとに最新の情報に更新されるため、『全国大学一覧』という冊子を参考にしました。

ちなみに『全国大学一覧』は文教協会が発行していましたが、文教協会が天下りの関連で解散したため、現在は地域科学研究会から発行されています。

大学全体の定員推移

入学定員が変わらない東京大学

上のグラフは東大と京大の入学定員の推移です。1962年度版以降の数字を見てみます。

まず、東大ですが、1970年前後からほぼ定員数は変化していません。1980年代後半から2000年くらいにかけて盛り上がっていますが、これは18歳人口の増加期間に当たり、臨時定員(臨定)として増加したものです。

そのため、18歳人口が減少すると以前の定員に戻っています。

一段階入学定員が増加した京都大学

次に京大ですが、動きは東大と非常に似ています。東大が約3,000人で推移しているのに対して、京大は約2,500人で推移しています。

京大が東大と異なる点は、臨時定員終了後に入学定員が一段階増加していることです。臨時定員前は2,500人前後だったものが、臨時定員後は2,800人前後となっています。

この要因は大きく2つあります。1つ目は臨時定員中の1993年に総合人間学部という新学部が設置されたこと、2つ目は2004年に医学部にリハビリテーション系を中心とした保健学科(現在は人間健康科学科)が新設されたことです。

総合人間学部は教養部からの転換、保健学科は短期大学からの転換ですが、結果的に京大全体の入学定員が増加することになりました。

学部の改組はどうなっているのか?

戦後学部改組のない東京大学

東大は新制大学となった1949年以降、学部改組を行っていません。学部内での学科の改組はかなり行われています。

京都大学も学部改組は少ない

京大は上で書いた通り、1993年に教養部からの転換として総合人間学部が設置されています。ただし、それ以外の学部改組は行われていません。

両大学とも大学院が大きく変化

学部の改組が少ないのは、大学院重点化という政策の影響もあります。

旧帝大を中心として、大学院を拡充するという政策がとられているため、教員も大学院所属となっており、大学院の改組も活発になっています。

既存の大学院の研究科のほかに、東大では新領域創成科学研究科、京大では5年一貫の総合生存学館など新しい研究科が設置されており、非常に細分化されています。

系統別の入学定員は?

大学名学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
東京大学人文科学系11.7%10.8%10.8%10.2%11.1%11.4%11.4%
東京大学社会科学系27.4%28.4%28.4%30.4%28.6%24.2%24.2%
東京大学自然科学系45.9%47.3%47.3%46.5%46.4%49.2%49.2%
東京大学学際系7.6%6.7%6.7%6.6%7.2%7.7%7.7%
東京大学医療系7.4%6.9%6.9%6.2%6.8%7.5%7.5%
大学名学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
京都大学人文科学系9.9%8.0%8.0%7.9%8.0%7.7%7.8%
京都大学社会科学系22.2%21.3%21.1%23.4%21.7%19.9%20.2%
京都大学自然科学系57.6%61.4%60.9%60.1%57.0%54.6%55.5%
京都大学学際系2.5%2.0%2.0%2.2%6.9%6.3%6.4%
京都大学医療系7.9%7.2%8.0%6.5%6.5%11.5%10.2%

学部別の推移ではわかりにくいので、系統別に分けてみました。1970年以降は10年おきに推移を追ってみます。2020年は2019年現在募集している定員で予定です。

人文科学系:文学部
社会科学系:法学部・経済学部
自然科学系:理学部・工学部・農学部
学際系:教育学部・教養学部(東大)・総合人間学部(京大)
医療系:医学部・薬学部

という基準で分けています。(東大は文Ⅰ~Ⅲ、理Ⅰ~Ⅲという入学区分になっていますが、学則上は年度ごとに入学定員が決められており、そちらを参照しています)

社会科学系が多い東京大学

東大の特徴としては社会科学系の比率が高いことが挙げられます。戦前の帝国大学が官僚育成機関となっていたことを考えると、法学部を中心とした社会科学系の比率が高くなっていることは至善であると言えます。

ただし、法科大学院が設置されたことにより、法学部の定員は減少しました。そのため2000年から2010年にかけて社会科学系の比率が大きく低下しています。

自然科学系が多い京都大学

一方で京大は自然科学系の比率が高くなっています。特に1970年前後は60%以上が自然科学系の定員となっています。自然科学系の比率が高いことはノーベル賞の授賞者に京大出身者が多いことと関係しているかもしれません。

上に書いた通り、2000年以降は総合人間学部が設置され、また2010年以降は医学部に保健学科が設置されて定員が増加したため、学際系・医療系の比率が上昇し、他の系統の比率が落ちています。

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