東大と京大のカリキュラム比較

日本の大学の最高峰と称される東京大学と京都大学ですが、この2大学のカリキュラムがどういう構造になっているか知っている人は少ないのではないでしょうか?

そこで両大学の履修規則からカリキュラムの全体像を比較してみたいと思います。

東京大学の履修規則(卒業または修了の認定基準等の各学部規則)
京都大学の履修規則(学部の卒業要件など)

東京大学のカリキュラム概要

以下の表は東京大学の各学部の教養科目と専門科目の卒業単位一覧表です。

学部名教養課程専門課程合計学位
法学部5680136法学
経済学部5680136経済学
文学部5676132文学
教育学部5670126教育学
教養学部(文系)5676132教養
教養学部(理系)6376139教養
理学部6376.5~82.5139.5~145.5理学
工学部6390~95153~158工学
農学部6376139農学
農学部(獣医6年)63142205獣医学
薬学部(薬学6年)63123186薬学
薬学部(薬科学4年)6380143薬科学
医学部(医6年)634,786時間時間制医学
医学部(看護4年)6394157保健学
医学部(それ以外4年)6368131保健学

東大は最初の2年間は全員が教養学部に所属し、在学中に学部を決定するというのはよく知られていると思います。そのため教養課程は文系と理系でほぼ同じ単位数となっています。

では教養課程のカリキュラムだけを取り出してみたのが以下の表です。もう少し細かい科目の条件等ありますが大まかな分類を示しています。表の中に文Ⅰ等ありますが主に以下の学部に対応しています。

文Ⅰ:法学部
文Ⅱ:経済学部
文Ⅲ:文学部、教育学部
理Ⅰ:理学部、工学部【数学物理系】
理Ⅱ:理学部、工学部、農学部、薬学部【生物化学系】
理Ⅲ:医学部
※教養学部は文Ⅲが多いですが、全科類から進学します

大項目小項目文系
(文Ⅰ・Ⅱ)
文系
(文Ⅲ)
理系
(理Ⅰ)
理系
(理Ⅱ・Ⅲ)
共通科目英語5555
共通科目第二外国語6666
共通科目それ以外6666
基礎科目人文科学4400
基礎科目社会科学8400
基礎科目自然科学002627
総合科目言語コミュニケーション9933
総合科目人文社会系6866
総合科目自然科学系6866
主題科目2222
その他自由選択4432
合計56566363

大きく文系と理系で異なりますが、やや理系のほうが取得単位が多くなっています。大きな要因は自然科学系の基礎科目で、全員がこれだけの科目を必修で履修することになっています。

全体としては人文科学、社会科学、自然科学の科目が多いですし、それを基礎と総合に分けているところも特徴です。これは学部を後で決めるという仕組みが影響していると考えられます。

京都大学のカリキュラム概要

以下の表は東京大学と同様に各学部の教養科目と専門科目の卒業単位一覧表です。

学部名教養課程専門課程自由選択合計学位
総合人間学部248432140総合人間学
文学部68880156文学
教育学部72840156教育学
法学部64800144法学
経済学部56840140経済学
理学部526224138理学
工学部65~6864~730~13144工学
農学部60840144農学
医学部(医6年)60不明不明不明医学
医学部(看護4年)54990153看護学
医学部(それ以外4年)5491~940145~148人間健康科学
薬学部(薬学6年)641320196薬学
薬学部(薬科学4年)64780142薬科学

総合人間学部は教養課程の科目が少なくなっていますが、この学部が主に教養課程を担っており、教養課程の科目=総合人間学部の専門科目となっているようです。つまり総合人間学部は教養学部的な存在であると言えるでしょう。

一見して単位数が多いことがわかるかと思います。2016年度から教養課程の科目を10単位前後増やしています。結果として卒業に必要な単位数も増えています。京大の自由なイメージからすると取得単位が増えて授業も増えるというのは意外な感じがします。その教養課程の科目ですが以下の表のとおりです。項目の都合上他の表と縦横が違います。

項目共通科目共通科目教養科目教養科目共通科目合計
学部名英語第二外国語人文社会科学自然科学それ以外合計
総合人間学部121200024
文学部816863068
教育学部8161862472
法学部8162461064
経済学部8161481056
理学部881224052
工学部8812~1628~304~1265~71
農学部8812~2012~208~1660
医学部(医)881818860
医学部(人間)8810101854
薬学部8810221664

2大学に共通する特徴

やはり日本の双璧をなす大学としてこれらの大学のカリキュラムには共通点があります。

学部構成が似ている

東大の教養学部≒京大の総合人間学部だとすると、学部の構成はほぼ同じ形です。

もちろん他の旧帝大とも似ていると言えなくもないですが、他の旧帝大だと歯学部があったり、教養学部がなかったりと、微妙に異なります。

教養を担う学部がある(=教養の重視)

東大では教養学部、京大では総合人間学部が教養を担う学部として存在しています。

他の大学では、全学出動体制といって全学部から教養担当を派遣するという形を取ったり、昔の教養部でないにせよ教育組織を作ってそこが担当していることが多いです。

学部が教養を担うということは、教育を重視しつつ研究もすることを明確にしていると言えます。

単位数が多い

京大のところでも触れましたが、卒業までの単位が非常に多いです。大学設置基準の最低単位数が4年制の場合124単位ですから文系の学部で15~20単位、理系の学部になると30単位以上も多い学部があります。

特に両大学とも教養科目が多いことが特徴となっており、教養の重要性を意識したカリキュラムになっていると言えるでしょう。

2大学の異なる点

共通点も多いですが、相違点も多くあります。

教養課程の単位数

東大は入学後に学部を決めることから、教養課程がほぼ共通化されています。特に理系については、どの学部に進学するにしてもある程度の数理系の知識を履修する必要があります(化学系に進むにしても物理系の科目を履修する必要がある等)。

一方京大は入学時に既に学部が決まっているため、学部ごとに教養課程で求める科目に違いが出てきます。教養課程についても専門教育の影響を受けていると言えます。

単位数の増減

先ほど京大は単位数を増やしたと書きましたが、これは珍しいことです。卒業単位は124単位以上と決まっていますが、現在は学修の実質化(1単位を取得するために45時間学修すること)が求められており、どの大学も卒業単位数は減らす傾向にあります。東大も同様です。

1単位当たり45時間の学修という原則からすると、1週間45時間学修するとしても124単位だと1年あたり31週間の学修が必要な計算になります。

これが10単位増えるということは1年あたり2~3週間分多く学修することになります。ここまでの負荷を高める必要があると京大は考えたのでしょうか?

東大と京大の違いまとめ

やはり専門学部を先に決めるか後に決めるかという違いがカリキュラムにも影響を及ぼしていると考えられます。

ただどちらも教養を重視していることは同じです。どちらを選ぶかは専門の決定でも良いかと思いますが、どちらに進学しても教養科目をきちんと履修するようにしてください。

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