東北の国公立大学はどこから入学しているのか

今回は大学改革支援・学位授与機構の「学校基本情報」をもとに、東北地方の国公立がどこから入学しているのかを見ていきたいと思います。

2021年度現在の東北地方の国公立大学は以下の通りです。

国立大学
・弘前大学
・岩手大学
・東北大学
・宮城教育大学
・秋田大学
・山形大学
・福島大学

公立大学
・青森公立大学
・青森県立保健大学
・岩手県立大学
・宮城大学
・秋田県立大学
・秋田公立美術大学
・国際教養大学
・山形県立保健医療大学
・山形県立米沢栄養大学
・会津大学
・福島県立医科大学

結構公立大学が多いです。また、東北大学については旧帝大のところで触れているので、そちらを参照してください。

各大学はどこから入学してるのか

国立大学

地域宮教大岩手大福島大
北海道0.6%4.1%1.6%
東北90.8%80.8%70.6%
北関東4.2%3.5%14.7%
首都圏1.9%4.5%3.1%
甲信越2.2%1.7%4.5%
東海0.3%1.9%2.1%
近畿0.0%1.1%0.3%
中国0.0%0.4%0.0%
四国0.0%0.3%0.4%
九州0.0%0.3%0.4%
沖縄0.0%0.1%0.1%
自県54.6%39.3%41.3%
地域山形大弘前大秋田大
北海道2.1%21.8%2.0%
東北65.4%64.5%64.5%
北関東9.3%2.7%6.9%
首都圏6.1%4.5%8.5%
甲信越6.6%0.9%5.5%
東海6.4%2.0%6.1%
近畿1.0%1.6%2.1%
中国0.3%0.3%0.1%
四国0.2%0.3%0.7%
九州0.4%0.6%0.4%
沖縄0.2%0.1%0.3%
自県24.7%43.3%42.7%

東北比率の高い順に並べています。スペースの関係で一段目左から右、次に二段目の左から右という形で並んでいます。また、自分の県の出身者の比率は自県という表記で表しています(東北地方と重複します)。

全大学が60%を超えています。東北大学が30%台であることを考えている、これらの大学の東北比率は高いといえます。その中でも教育学部のみの宮城教育大学が最も高くなっています。教育学部は各地にあるということが大きな理由だと考えられます。それ以外は隣接地域との関係が大きいと考えられます。

例えば弘前大学は北海道と近いため、北海道の比率が高く、山形大学は甲信越、福島大学は北関東の比率が高くなっています。結果的に隣接県も東北地方である岩手大学が最も東北地域の比率が高いです。一つだけ秋田県は岩手大学と同じ立ち位置ですが東北比率がやや低くなっており、その点は学部別にみてみたいと思います。

東北地方については特記すべき事項があります。コロナ禍によって東北地方は他の地域への移動への意欲が落ちたようで、2020年度と比較して、2021年度は宮城教育大学以外の大学で東北地方の比率が上昇しています(3ポイントから10ポイント)。おそらく首都圏に進学するくらいなら東北地方の中の国立大学から選んでほしいという意向が働いたのではないかと思います。

公立大学

地域山形保健青森公大宮城大
北海道1.0%4.4%1.8%
東北91.3%87.2%86.3%
北関東1.9%1.6%2.4%
首都圏0.0%1.6%0.4%
甲信越3.9%2.8%3.8%
東海1.0%1.3%2.2%
近畿1.0%0.3%1.1%
中国0.0%0.3%0.0%
四国0.0%0.0%0.4%
九州0.0%0.0%0.4%
沖縄0.0%0.3%0.2%
自県65.0%61.9%61.6%
地域岩手県大青森保健米沢栄養
北海道1.9%15.0%0.0%
東北84.8%77.5%71.1%
北関東4.9%0.9%20.0%
首都圏1.1%0.9%0.0%
甲信越1.3%2.2%6.7%
東海3.8%2.2%0.0%
近畿1.3%0.4%2.2%
中国0.0%0.4%0.0%
四国0.0%0.0%0.0%
九州0.6%0.0%0.0%
沖縄0.4%0.4%0.0%
自県61.7%50.7%42.2%
地域福島県医大秋田県立秋田美術
北海道1.6%2.4%6.9%
東北70.6%57.2%49.5%
北関東14.7%11.8%10.9%
首都圏3.1%2.9%2.0%
甲信越4.5%12.0%5.0%
東海2.1%9.6%5.9%
近畿0.3%3.1%6.9%
中国0.0%0.0%1.0%
四国0.4%0.2%1.0%
九州0.4%0.5%3.0%
沖縄0.1%0.0%0.0%
自県41.3%33.9%15.8%
地域会津大国際教養
北海道2.4%2.3%
東北49.2%25.4%
北関東12.5%2.8%
首都圏14.5%26.6%
甲信越4.8%6.8%
東海6.9%8.5%
近畿4.8%11.3%
中国1.6%4.0%
四国0.4%1.7%
九州0.4%5.1%
沖縄0.4%2.8%
自県37.1%14.7%

大学数が多くて4段になってしまいました。そして大学によってかなり数値に差があることがわかります。最も東北比率の高い山形県立保健医療大学が90%を超えているのに対して、最も低い国際教養大学は25%前後と大きく違います。

これは地域性もありますが、学部系統の影響が大きいと推測されます。医療系の中でも看護やリハビリの大学は東北比率が高く、次に文系、次に理系や医学部などを有する大学が来ています。

国際教養大学については、メディアで取り上げられるように国際教養系学部の先駆けのような存在です。また、会津大学も情報系の大学でありながら国際性も重視する(教員の約半数が外国人教員)大学であり、特徴のある大学はやはり他の地域から人を集めているといえるでしょう。

公立大学については国立大学と違ってコロナ禍による影響はあまり見られませんでした。福島県立医科大学は東北比率が上がっていますが、これは地元比率の高い保健医療系学部(リハビリテーション)の新設があったためです。

学部別の違いは?

学部別の違いについては学部数の多い国立大学(宮城教育大学を除く)だけを見てみたいと思います。

弘前大学

弘前大学東北自県
教育学部(教員養成)79.6%54.5%
人文社会科学部68.4%53.5%
医学部(4年)65.2%32.6%
理工学部62.8%44.2%
医学部(6年)56.3%37.5%
農学生命科学部54.1%33.5%

まずは弘前大学です。これはどの大学にも言えることですが、文系学部が相対的に比率が高く、理系学部が低くなっています。

岩手大学

岩手大学東北自県
人文社会科学部92.1%52.8%
教育学部(教員養成)85.5%46.2%
理工学部82.4%39.8%
農学部67.9%21.9%
農学部(6年)36.4%12.1%

岩手大学は全体的に東北比率が高くなっていますが、唯一獣医学科である農学部の6年制課程のみが非常に低くなっています。また、農学部全体を見ても、自県の比率は低くなっており、他の県から人が集まってきていることがわかります。

秋田大学

秋田大学東北自県
教育文化学部(教員養成)87.2%67.5%
教育文化学部(教員養成以外)87.1%71.3%
医学部(4年)75.7%54.2%
理工学部58.4%35.9%
国際資源学部50.4%25.2%
医学部(6年)49.2%26.6%

秋田大学は岩手大学と同様のポジションであるにもかかわらず東北比率が低いことは先述しました。その要因を学部別にみてみると、理工学部と国際資源学部、それから医学部の6年課程が比率を下げているようです。特に国際資源学部は理工系でありながら国際性を重視する(留学生募集も視野に入れている)学部であり、これらの学部が貢献していることがわかります。

山形大学

山形大学東北自県
地域教育文化学部92.3%45.3%
医学部(4年)85.0%38.3%
人文社会科学部84.5%25.7%
理学部65.4%20.4%
工学部56.8%22.8%
農学部48.5%14.4%
工学部(夜間)45.1%25.5%
医学部(6年)42.6%14.8%

山形大学も他の大学と同様に理系学部が比率を下げています。また、山形大学についてはここまで上げてきた大学にはない理学部があります。ここの東北比率がそこまで低くないのは東北大学に原因があります。東北大学の理学部は首都圏からの進学が多いことから、東北地方の志望者がはじき出されて山形大学に進学しています。その証拠に自県比率は工学部よりも低くなっています。

福島大学

福島大学東北自県
人文社会学群(夜間)90.9%50.0%
人文社会学群74.8%43.2%
農学群58.7%34.6%
理工学群58.5%36.3%

最後に福島大学です。福島大学は学部数が他の大学と比較しても少なく、実質3学部しかありません。その中でも農学群は最近できた学部です。農学群ができたことで若干東北比率が下がりました。やはり理系学部は他の地域からの進学者を呼び込む効果があるようです。

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