私立大学の雄として書籍にもなる早稲田大学と慶應義塾大学ですが、この2大学のカリキュラムはどうなっているかを見てみます。
情報はかなりバラバラに存在しており、どこを参照というのは難しいですが以下の項目などを主に参照しています。
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早稲田大学のカリキュラム
早稲田大学の学部構成と卒業単位数の一覧は以下の通りです。
学部名 | 教養課程 | 専門課程 | 自由 | 合計 | 学位 |
文学部 | 20 | 54 | 50 | 124 | 文学 |
文化構想学部 | 20 | 32 | 72 | 124 | 文学 |
法学部 | 32 | 86 | 18 | 136 | 法学 |
政治経済学部 | 25 | 59~61 | 38~40 | 124 | 政治学、経済学、 国際政治経済学 |
商学部 | 36 | 76 | 20 | 132 | 商学 |
教育学部 | 24~28 | 58~107 | 1~40 | 124~134 | 教育学、心理学、文学、地理学、 歴史学、公共市民学、理学、学術 |
基幹理工学部 | 18~26 | 95~105 | 3~5 | 126 | 理学、工学 |
創造理工学部 | 26 | 96~98 | 12~14 | 136 | 建築学、工学 |
先進理工学部 | 20~28 | 93~105 | 9~15 | 132~136 | 理学、工学 |
人間科学部 | 34 | 64 | 26 | 124 | 人間科学 |
スポーツ科学部 | 20 | 62 | 42 | 124 | スポーツ科学 |
国際教養学部 | 15 | 62 | 47 | 124 | 国際教養学 |
社会科学部 | 14 | 96 | 14 | 124 | 社会科学 |
慶應義塾大学のカリキュラム
続いて慶應義塾大学の学部一覧と卒業単位数です。医学部、薬学部については履修要項にIDが必要なため不明です。
学部名 | 教養課程 | 専門課程 | 自由 | 合計 | 学位 |
文学部 | 52~56 | 72~76 | 0 | 128 | 哲学、美学、史学、文学、 図書館・情報学、人間関係学 |
法学部 | 32~40 | 76~88 | 8~28 | 136 | 法学 |
経済学部 | 34 | 76 | 16 | 126 | 経済学 |
商学部 | 36 | 80 | 12 | 128 | 商学 |
理工学部 | 34 | 96 | 8 | 138 | 理学、工学 |
総合政策学部 | 30 | 34 | 60 | 124 | 総合政策学 |
環境情報学部 | 30 | 34 | 60 | 124 | 環境情報学 |
看護医療学部 | 10 | 94 | 20 | 124 | 看護学 |
薬学部(6年) | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 薬学 |
薬学部(4年) | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 薬科学 |
医学部 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 医学 |
早慶の違い
学部構成を見てもかなり違うことがわかりますが、以下のような特徴があります。
キャンパス構成の違い
早稲田大も慶応義塾大も学部によってキャンパスが分かれています。その中でも早稲田の所沢キャンパスと慶應の湘南藤沢キャンパスはほぼ独自の動きをしていると言えますが、それ以外の学部についてはキャンパス構成が異なります。
早稲田は基本的に4年間同じキャンパスで学びますが、慶應は最初の2年間を日吉で過ごし、後半2年間を三田で過ごすという形になっています。
この仕組みがカリキュラムにも影響しています。
学部の独立性が高い早稲田と共通組織のある慶應
慶應は日吉キャンパスの2年間をほぼ教養課程に充てています。これにより国立大学に近い形で教養科目を設定することができています。
一方で早稲田にも共通科目を提供する組織がありますが、基本的には学部が独自に科目設計をすることになります。
その結果、早稲田の文学部・文化構想学部・社会科学部には教養科目の設定はありません。(教養課程に入っているのは語学や基礎ゼミなどの科目です)
縦の学部が多い慶應と横の学部が多い早稲田
教養科目の有無が影響しているのかどうかわかりませんが、早稲田には横の学部が多く、慶應には縦の学部が多いです。
縦の学部とは法学部や理工学部など、ディシプリン(学部教育の領域と方法)がしっかりしている学部のことを指します。一方で横の学部とは複数の分野を学んだり(教養学部のメジャー・マイナーなど)あるテーマを複数の視点から学んだりする学部を言います。
慶應は総合政策学部と環境情報学部のみが横の学部で、他の学部は縦の学部といえます。これは結果論になりますが、医学部、薬学部、看護医療学部など医療系の学部が慶應にしかないことも大学のカリキュラムの傾向と合致しています。
総合政策学部と環境情報学部はいろいろなところで述べられていますし、一般的な社会の評価も受けているので、どういう学部かという説明は省きますが、総合政策学部は文系(特に社会科学系)教養系学部、環境情報学部は理系教養系学部ということができますし、これら2つが揃っていることでバランスが取れていると言えます。
早稲田は文学部、法学部、政治経済学部、商学部、基幹理工学部、先進理工学部、創造理工学部(この3つはもともと理工学部)が縦の学部で残り6学部は横の学部といえます。
早稲田の文学部は本来であればディシプリンがしっかりしている学部なのですが、文化構想学部という横の学部があることにより、文学分野の縦と横の学部を揃えているということになります。
教育学部や社会科学部は縦の学部ではないのかという疑問があるかと思います。
しかし、早稲田の教育学部は純粋な教員養成系の学部ではありません。専攻を見てみると、旧帝大のような教育学を学ぶ専攻や、従来の学芸学部や文理学部といわれているような文学系・理学系の専攻もあります。つまり早稲田の教育学部は教育をテーマとして複数の視点から学び・研究する学部であると言えます。
同様に社会科学部についても、法・政治・経済など複数の視点から社会について学び・研究するという学部であり、こちらも複数の視点から社会を見る学部であると言えます。