大東亜帝国の入学定員はどう推移しているのか?

関東の中下位グループとして認識されている大東亜帝国(大東文化大学・東海大学・亜細亜大学・帝京大学・国士舘大学)ですが、これらの大学の入学定員がどのように推移しているのかを見ていきたいと思います。通常は「大東亜帝国」と呼ばれますが、最大級の表現として「大東亜拓桜明星帝国(上記グループに拓殖大学・桜美林大学・明星大学が加わる)」という括り方もされるのでこちらのグループで見ていこうと思います。

東海大学と帝京大学の規模が大きい

これらのグループの入学定員を見ると東海大学と帝京大学が突出して多いことがわかります。

東海大学は1970年代の時点で非常に大きな定員を有しています。さらに2008年には北海道東海大学と九州東海大学を統合したためにさらに定員が増加しています。

帝京大学は2000年以降の定員増加数が非常に多いです。この時期の大幅増加により、東海大学に徐々に近づいてきています。

なおこれらの大学グループで夜間部の定員を持っているのは国士舘大学のみであり、昼間の学部に限定しても入学定員の状況はあまり変動ありません。

学部新設はどうなっているのか?(1962年以降)

これらの大学の学部新設がどういう推移で展開したかを見ていきたいと思います。

大東文化大学

大東文化大学の学部設置状況です。

外国語学部(1972年)
法学部(1973年)
国際関係学部(1986年)
経営学部(2000年)
環境創造学部(2001年)
スポーツ・健康科学部(2005年)
社会学部(2018年※環境創造学部の改組)

大東文化大学は1962年当時は文学部と経済学部の2学部体制でしたが、現在は8学部体制となっています。

大東文化大学の特徴として社会科学系の新設が多いということが挙げられます。一時期学際系学部が設置されていますが、最終的には社会科学系等への回帰が見られます。

東海大学

東海大学の学部新設状況です。

第二工学部(1963年)
理学部(1964年)
政治経済学部(1966年)
体育学部(1967年)
教養学部(1968年)
医学部(1974年)
法学部(1986年)
開発工学部(1991年)
健康科学部(1995年)
電子情報学部(2001年)
情報デザイン工学部(2005年※第二工学部からの改組)
情報理工学部(2006年※電子情報学部からの改組)
情報通信学部(2008年)
国際文化学部・芸術工学部・生物理工学部(2008年※北海道東海大学からの移管)
総合経営学部・産業工学部・農学部(2008年※九州東海大学からの移管)
観光学部(2010年)
生物学部(2012年※生物理工学部からの名称変更)
経営学部(2013年※総合経営学部からの名称変更)
基盤工学部(2013年※産業工学部からの名称変更)
文化社会学部(2018年※文学部の分割)
健康学部(2018年※健康科学部からの改組)

東海大学は1962年当時は文学部、工学部、海洋学部の3学部体制でしたが、現在はなんと19学部体制となっています。

学部新設の特徴は、とにかく断続的に新設していることと人文科学系以外の学部がバランスよく(?)新設されていることです。その間北海道の芸術工学部や静岡の開発工学部の募集停止など増加一辺倒ではなく、整理統合も行われています。

亜細亜大学

亜細亜大学の学部新設状況です。

経済学部(1964年)
法学部(1966年)
経営学部(1970年※商学部からの改組)
国際関係学部(1990年)
都市創造学部(2016年)

亜細亜大学は商学部のみの単科大学としてスタートしましたが、現在は5学部体制となっています。

亜細亜大学の特徴は社会学系の新設が多いことと、比較的早い時期の新設が多いという2点です。

拓殖大学

拓殖大学の学部新設状況です。

外国語学部(1977年)
工学部(1987年)
国際開発学部(2000年)
国際学部(2007年※国際開発学部からの改組)

拓殖大学は商学部と政経学部の2学部体制でスタートし、現在は6学部体制となっています。学部の設置状況は数こそ少ないものの、人文科学系、自然科学系、学際系が順に設置されています。

桜美林大学

桜美林大学の学部新設状況です。

文学部(1966年※大学設置)
経済学部(1968年)
国際学部(1989年)
経営政策学部(1997年)
総合文化学群(2005年)
ビジネスマネジメント学群(2006年※経営政策学部からの改組)
健康福祉学群(2006年)
リベラルアーツ学群(2007年※文学部・経済学部からの改組)
芸術文化学群(2013年※総合文化学群からの改組)
グローバル・コミュニケーション学群(2016年)
航空・マネジメント学群(2020年※予定)

桜美林大学は1966年に設置された大学ですが、2005年に学群制を採用してからオーソドックスな学部はなくなり、5学群体制、2020年からは6学群体制になります。

学群については、いろいろ説明がありますが、学部学科制度とほぼ同じです。言葉は悪いですが、学群制度を導入した大学を見ると、「ああ流行りを追ったな」と思いますし、学群制を導入しながら学部制に戻した大学もあります。

明星大学

明星大学の学部新設状況です。

理工学部(1964年※大学設置)
人文学部(1965年)
日本文化学部(1992年)
情報学部(1992年)
経済学部(2001年)
造形芸術学部(2005年)
教育学部(2010年※日本文化学部からの改組)
経営学部(2012年)
デザイン学部(2014年※造形芸術学部からの改組)
心理学部(2017年)
建築学部(2020年※予定)

明星大学は1964年に理工学部単科大学として設置されましたが、人文科学系の学部を中心に増設され、2000年代以降社会科学系が増えています。現在は9学部体制となっています。

今は教育学部が看板学部となっていますが、教育学部の設置は2010年と比較的遅い時期になっています。

帝京大学

帝京大学の学部新設状況です。

文学部・経済学部(1966年※大学設置)
法学部(1967年)
医学部(1971年)
薬学部(1977年)
理工学部(1989年)
医療技術学部(2004年)
福岡医療技術学部(2005年)
外国語学部(2007年)
教育学部(2012年)

帝京大学は文学部・経済学部の2学部体制で設置されましたが、現在は10学部体制となっています。

帝京大学の特徴は医療系学部の設置の多さです。医学部を持っていることがその点では有利に働いています。(医療技術系の実習先や教員の確保がしやすい)

国士舘大学

国士舘大学の学部新設状況です。

工学部(1963年)
法学部(1966年)
文学部(1966年)
21世紀アジア学部(2002年)
理工学部(2007年※工学部からの改組)
経営学部(2011年)

国士舘大学は1962年当時は政経学部と体育学部の2学部体制でしたが、現在では7学部体制となっています。

国士舘大学の場合はあまり新設がなく、新設された学部も21世紀アジア学部以外はオーソドックスな学部となっています。

どの系統の学部が多いのか?

ではこれらの大学はどの系統の定員が多くなっているのかを以下の基準で分類してみていきたいと思います。2020年は予定です。

人文科学系:文学部、人文学部、文化社会学部、総合文化学群、芸術文化学群、日本文化学部、外国語学部、国際文化学部
社会科学系:法学部、政治経済学部、政経学部、経済学部、経営学部、総合経営学部、経営政策学部、商学部、社会学部、ビジネスマネジメント学群、航空・マネジメント学群
自然科学系:理学部、 理工学部、工学部、第二工学部、開発工学部、産業工学部、基盤工学部、情報学部、電子情報学部、情報理工学部、情報デザイン工学部、情報通信学部、芸術工学部、農学部、生物理工学部、生物学部
学際系:国際関係学部、国際開発学部、国際学部、グローバル・コミュニケーション学群、21世紀アジア学部、環境創造学部、都市創造学部、 体育学部、 スポーツ・健康科学部、 健康科学部、健康学部、健康福祉学群、 観光学部、教養学部、 リベラルアーツ学群 、海洋学部、心理学部、教育学部、造形芸術学部、デザイン学部、建築学部
医療系:医学部、薬学部、医療技術学部、福岡医療技術学部

大東文化大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系34.8%49.3%51.7%41.1%40.6%36.3%35.0%
社会科学系65.2%50.7%48.3%51.3%52.2%41.9%46.4%
自然科学系0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
学際系0.0%0.0%0.0%7.6%7.2%21.8%18.6%
医療系0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%

大東文化大学は社会科学系が多い大学でしたが、その後人文科学の比率が上昇しました。しかし、両系統ともに徐々にその比率が低下し、その分が学際系に移っています。

東海大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系12.3%7.9%13.2%15.2%14.7%16.2%15.9%
社会科学系0.0%3.8%8.1%13.4%12.1%13.5%14.9%
自然科学系65.8%65.7%53.5%45.4%46.9%45.4%40.5%
学際系21.9%22.6%23.1%24.3%24.7%23.2%25.7%
医療系0.0%0.0%2.0%1.8%1.6%1.6%3.0%

東海大学はもともと自然科学系の比率が高い大学でしたが、現在では40%前後になっています。その分が人文科学系と社会科学系に回っています。全体の定員数は増加しているので自然科学系の定員はそのままで人文科学系、社会科学系の定員が増加したと考えられます。

亜細亜大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
社会科学系100.0%100.0%100.0%84.8%84.7%80.3%71.8%
自然科学系0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
学際系0.0%0.0%0.0%15.2%15.3%19.7%28.2%
医療系0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%

亜細亜大学は社会科学系の大学として設立されていますが、学際系の比率が徐々に上昇しており、社会科学系の比率は低下しています。一方で人文科学系、自然科学系の分野は現在も設置されていません。

拓殖大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系0.0%0.0%16.7%11.1%9.2%9.5%12.6%
社会科学系100.0%100.0%83.3%71.1%62.1%61.0%57.4%
自然科学系0.0%0.0%0.0%17.8%14.8%15.2%14.3%
学際系0.0%0.0%0.0%0.0%13.9%14.3%15.7%
医療系0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%

拓殖大学も亜細亜大学と同様に社会科学系のみの大学として設置されていますが、亜細亜大学と異なり、徐々に人文科学系→自然科学系→学際系と分野を拡大しています。現在では社会科学系の比率が依然として高いものの、医療系以外の分野が15%前後ずつを占めています。

桜美林大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系なし44.4%31.8%29.4%36.5%13.9%16.1%
社会科学系なし55.6%68.2%47.1%46.0%22.2%23.7%
自然科学系なし0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
学際系なし0.0%0.0%23.5%17.5%63.9%60.2%
医療系なし0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%

桜美林大学は人文科学・社会科学が中心に設置されましたが、学群制度を採用した前後から学際系の学部に転換しており現在は学際系の比率が高くなっています。そのうちのほとんどはリベラルアーツ学群であり、桜美林大学は比較的領域をあいまいにする戦略をとっているといえます。

明星大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系なし46.7%48.8%53.0%52.2%23.3%17.6%
社会科学系なし0.0%0.0%0.0%0.0%22.8%23.8%
自然科学系なし53.3%51.2%47.0%47.8%29.5%21.8%
学際系なし0.0%0.0%0.0%0.0%24.4%36.8%
医療系なし0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%

明星大学は総合大学には珍しく社会科学系の学部がなく人文科学系と自然科学系の学部のみという時代が長く続きました。その後は社会科学系とともに学際系である教育学部が設置されたことからこの両分野の比率が上昇し、現在は各分野が均等に設置されています。

帝京大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系なし33.3%24.4%34.8%34.7%26.5%19.4%
社会科学系なし66.7%52.8%41.5%43.5%38.6%38.1%
自然科学系なし0.0%0.0%15.3%13.6%6.6%4.9%
学際系なし0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%6.1%
医療系なし0.0%22.8%8.3%8.2%28.3%31.5%

帝京大学の特徴は医療系学部の比率の高さです。1990~2000年くらいまでは人文科学系、社会科学系の拡充が続き医療系の比率は低下していましたが、医療技術系学部の拡充の結果、現在は30%以上が医療系の学部となっています。

国士舘大学

学部名1962年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
人文科学系0.0%18.9%18.6%17.5%15.7%13.8%13.8%
社会科学系75.0%56.6%62.1%64.3%54.0%42.7%42.7%
自然科学系0.0%15.1%9.9%9.4%12.9%11.3%11.9%
学際系25.0%9.4%9.3%8.8%17.5%32.1%31.6%
医療系0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%

国士舘大学は社会科学系が中心の大学でしたが、その比率が低下し、その分が学際系の学部に回っています。学際系については当時から体育学部を設置していましたがその定員が増加していることと、21世紀アジア学部を設置したことで増加しています。

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