今回は学校基本調査の数字をもとに福岡県の大学・短大・専門学校の状況を見ていきたいと思います。
※2020年1月26日に2019年版に改訂しました。
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大学が伸び悩む
福岡県は大学の人数が多くなってはいますが、ピークは1990年代後半でそれ以降はやや減少傾向にあります。一方で専門学校は2005年くらいまでは伸びており、こちらもそれ以降は伸び悩んでいます。
※2019年は大学入学者が伸びましたが、それ以上に専門学校入学者が伸びています。
私立大学が多い
福岡県は国公立大学の規模も他県と比較すると多いですが、それよりも私立大学の規模が大きくなっています。ただし、先ほど書いた通り大学の入学者数は伸び悩んでおり、それは私立大学の伸び悩みそのものとなっています。
大学地域別分析(福岡県の大学はどの地域から入学するか)
九州の大学から徐々に変化する国立大学
福岡県の国立大学は以前はほぼ90%が九州出身者で占められていましたが、徐々にその数字が下がり、現在では70%を切っています。その代わりに中国地方の出身者が増加してきています。九州人の大学から少し変化しつつあると言えます。
※2019年は九州地方の比率が過去最低タイで、関東地方の比率が初めて3%を超えました。
一貫して九州地方と中国地方の公立大学
変化している国立大学に対して、公立大学は一貫して九州地方が多く、次が中国地方という構図が続いています。
九州地方の大学になる私立大学
私立大学は九州地方の比率が上昇しており、九州人のための大学となっています。全体の私立大学の入学者数は減少しており、他の地域からの入学が減少していることがその要因となっていることがわかります。
大学進学先分析(福岡県の高校からはどの地域に進学するか)
ほぼ九州地方の国立大学
国立大学への進学は九州地方の比率が徐々に上昇しています。ただし変動幅が大きくなく、ほぼ同じ割合で進学していることがわかります。
中国地方が変動する公立大学
公立大学は福岡県内に比較的多くあるため、九州地方への進学がもともと多いですが、中国地方にいくつか公立大学設置されたこともあり、中国地方への進学比率が変動しています。
九州地方が上昇し関東地方が減少する私立大学
私立大学は九州地方の比率が徐々に上昇しています。一方で関東地方が一貫して低下しており、東日本への進学がかなり減少していることがわかります。
※2019年は九州地方への進学比率が過去最高となりました。
高卒進学率は?
ここにきて専門学校が息を吹き返す(総計)
福岡県の高卒進学率は徐々に伸びています。その要因は専門学校進学率の上昇です。それまで一貫して減少傾向で大学進学率に押されていた専門学校進学率ですが、ここにきて上昇に転じました。大学進学率が低下しているということはないため、結果的に進学率全体が上昇しています。
※2019年は大学進学率が過去最高となり、専門学校進学率も高いままです。結果的に全体の進学比率も過去最高となりました。一方で短大進学率が過去最低となりました。
進学率上昇を支える(女子)
進学率の上昇傾向が顕著なのは女子です。大学も専門学校も伸びており、過去最高の進学率となっています。
※2019年は女子の大学進学率が過去最高となりました。全体の進学比率も過去最高です。
進学率が頭打ち(男子)
女子と比較して男子は進学率が頭打ちになっています。大きな要因は大学進学率の変動で、増減を繰り返しています。
※2019年の男子の大学進学率は二年連続で低下しました。