今回は東京藝術大学をはじめとした美術系の大学(美大)のカリキュラムを見ていきたいと思います。(今回は美術系のみです。音楽学部については今回は除外しています)
芸術系の学部は新旧様々に設置されていますが、特にファインアート(絵画・彫刻等)を主とする大学のカリキュラムを指します。
具体的には東京藝術大学、武蔵野美術大学、多摩美術大学、女子美術大学、金沢美術工芸大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、沖縄県立芸術大学などです。
ちなみに美術系の大学については、歴史があり上位の大学ほどファインアートの比率が高く、私立大学や歴史の浅い大学は低くなっています。(例えば東京藝術大学はファインアートが60%前後、武蔵野美術大学や多摩美術大学などは30%前後となっています)
また、新設されるのは基本的にはデザイン系でファインアートの新設は今後難しいのかなと思います。(これはファインアートに限らず芸術系全般に言えると思いますが)
では以下具体的にこれらのカリキュラムの特長を見ていきたいと思います。
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実技という科目種類
これらの大学の特長の最も大きな点は実技という科目が学則上規程してあることです。
よく目にする1コマ2単位という区分は主に講義科目に使われますが、1コマ(90~100分)の授業を15回(合計30時間相当)+事前事後学習を2時間相当(合計60時間)行うことで2単位と計算されます。それに対し、実技については大学で差がありますが、事前事後学習を想定しないかもくとして設計されています。
その間に演習科目というのも存在しますので、それらを簡易的にまとめると以下の通りです。
講義科目:15時間の授業+30時間の事前事後学習で1単位(通常の授業は30時間分とみなすので1コマ2単位)
演習科目:30時間の授業+15時間の事前事後学習で1単位(通常の授業は30時間分とみなすので1コマ1単位)
実技科目:45時間の授業で1単位
実技科目のロットの大きさ
上の表に実技科目の部分に通常の授業の記載がありません。
これらの大学では実技科目が1単位や2単位で構成されることはまれで、8単位や多い場合では16単位などという大きな単位で構成されています。
例えば東京藝術大学のカリキュラム表はこのようになっています。(6ページ以降を参照してください)
その分授業科目数は少なくなっています。全体的に美術系の大学は実技を重視していることを反映していると思います。
授業計画の細かさ
一方で特に実技の授業計画は細かく設計されています。
どの大学も全員が実技を消化できるように学期という枠にとらわれず編成されています。(例えば最初の3週間はデッサン、次の4週間は別の授業という形で組まれています)
例えば東京藝術大学(日本画)の実技はこちらです。
これらの中には通常のカリキュラム分類以外にも古美術研究(東京藝術大学の特徴となっている必修科目)などが組み込まれており学内活動以外のものも含まれています。
まとめ
上に挙げた大学に限らず、美術系大学のカリキュラムを見る肝は実技科目にあると言えるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。