旧帝大の勢力図はどうなっているのか

大学改革支援・学位授与機構の「大学基本情報」をもとに、各県の最も進学している旧帝大はどこかということを見ていきます。

一応旧帝大を記載しておくと、北から

北海道大学(北海道)
東北大学(宮城県)
東京大学(東京都)
名古屋大学(愛知県)
京都大学(京都府)
大阪大学(大阪府)
九州大学(福岡県)

となっています。一応都道府県も入れてみましたが、地理的には関西~東海に集中しており、そのあたりの関係がどのようになっているかがポイントかなと思います。

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都道府県別一覧表

ということで47都道府県を順に並べて、最も進学している旧帝大とその比率(旧帝大7大学のうち最も進学する大学の比率)を出しました。

都道府県大学名比率
北海道北海道大学76.2%
青森東北大学74.5%
岩手東北大学76.3%
宮城東北大学79.6%
秋田東北大学70.3%
山形東北大学69.5%
福島東北大学68.2%
茨城東北大学37.0%
栃木東北大学51.9%
群馬東北大学47.8%
埼玉東北大学34.2%
千葉東京大学37.0%
東京東京大学52.4%
神奈川東京大学43.9%
新潟東北大学51.4%
富山大阪大学23.8%
石川大阪大学24.6%
福井大阪大学32.4%
山梨東北大学31.3%
長野名古屋大学27.4%
岐阜名古屋大学58.7%
静岡名古屋大学25.4%
愛知名古屋大学59.3%
三重名古屋大学43.6%
滋賀大阪大学39.6%
京都京都大学46.1%
大阪大阪大学50.9%
兵庫大阪大学41.5%
奈良京都大学36.8%
和歌山大阪大学36.6%
鳥取大阪大学27.8%
島根九州大学30.4%
岡山大阪大学28.7%
広島九州大学36.7%
山口九州大学58.7%
徳島大阪大学41.8%
香川大阪大学36.3%
愛媛大阪大学33.7%
高知大阪大学40.7%
福岡九州大学72.6%
佐賀九州大学71.0%
長崎九州大学67.7%
熊本九州大学62.5%
大分九州大学68.9%
宮崎九州大学66.3%
鹿児島九州大学51.6%
沖縄九州大学45.8%

これを見るとやはり地方の道県では地元の旧帝大への進学率が非常に高くなっているなと思います。

ただ、これだと視覚的に理解するのが難しいので地図にしてみました。また、上記の比率の度数分布についても記載しました。

旧帝大勢力図

比率北大東北大東大名大京大阪大九大
70%-1400002
60%-0200004
50%-0212012
40%-0111131
30%-0310362
20%-0334282
10%-2451561984
10%未満22272634222130

配色が下手なのはご容赦ください。これを見るといろいろ特徴がみられます。北から特徴を列記してみます。

北海道大学は北海道のみ

北海道大学は旧帝大で唯一占有率の高い地域が1つの県(この場合は道ですが)となっています。

しかも度数分布をみると、北海道以外の都府県はどんなに多くてもその都府県の10%台しか進学していません。地理的に連続していないというのは思った以上に影響力が大きいと考えられます。ただ、10%未満の県は思ったおり少なく、数は多くないがそこそこは進学しているということがわかります。

ちなみに2021年度北海道大学に進学しなかった県は佐賀県だけでした。(この後も出てきますが、これは居住地ではなくあくまで高校の所在地です)

東北大学は意外に勢力図が広い

東北大学はかなり勢力図が広いことがわかります。

意外なところでは埼玉県や山梨県も東北大学が進学先として最も多くなっています。埼玉県は大宮ー仙台間が新幹線で非常に近いということで理解できますが、山梨県については東京大学もしくは名古屋大学が距離的には近いと考えられるので、意外な進学先といえます。

また、東北地方を中心に占有率70%以上が最も多いのも東北大学の特徴です。東北地方での絶対勢力を持ちながら他の地域からも入学するというのが東北大学の特徴のようです。

ちなみに2021年度に東北大学に進学しなかったのは高知県だけでした。

東京大学の勢力圏は小さい

東京大学は勢力圏としては千葉県、東京都、神奈川県のみです。あとで京都大学のところでも触れますが、やはり「東大・京大」という存在は全国から集まってくるため、絶対的な勢力圏というのはないのだと考えられます。

ちなみに2021年度に東京大学には全県から入学者がいます。

名古屋大学は長野県を獲得

名古屋大学はイメージとしては東海地方のみの勢力図かと思いましたが、長野県も名古屋大学がトップとなりました。さすがにここまでのデータはありませんでしたが、長野県は広いため、市区町村別に割るとかなり南の方に集中していると予想されます。

2021年度に名古屋大学に進学しなかった県は青森県、岩手県の2県でした。やはり東北地方からは東北大学、東京大学を超えて名古屋大学まで進学しないのでしょう。

京都大学も勢力圏は小さい

京都大学については東京大学で触れたことと同じことが起きています。あえて言えば奈良県も京都大学比率が高いことが挙げられるでしょう。

もちろん地理的に近いということもありますが、奈良県といえばいわゆる超進学校が多いことが挙げられます。名前を出すのもなんですが、東大寺、西大和など基本「東大・京大」というところが数字に影響していると考えられます。

2021年度に京都大学に進学しなかった県はありませんでした。

北陸まで勢力を伸ばす大阪大学

大阪大学は中四国を押さえ(中国地方は九州大学と勢力を二分しています。その境目は鳥取・岡山の両県と島根・広島の両県の間にあります)、京都大学ゾーンを挟んで、北陸三県まで及んでいます。

大阪大学の影響力は大きく、10%未満しか進学しない県が旧帝大の中で最も少なくなっています。薄く広く進学しているといえるでしょう。

2021年度に大阪大学に進学しなかった県は青森県だけでした。

西日本の比重が圧倒的な九州大学

九州大学は島根・広島県以西をがっちり押さえています。特に地元九州の占有率は圧倒的だといえるでしょう。

2021年度に九州大学に進学しなかった県は岩手県、山形県、秋田県、福島県と旧帝大の中で最も多い4県となっており、そのすべてが東北地方の県です。

また、それ以外にも10%未満の県が30県と最も多いのも特徴です。これらから見ると旧帝大の中で北海道大学と違う意味で地域的な偏りが大きいといえるでしょう。

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