今回は学校基本調査の数字をもとに宮城県の大学・短大・専門学校の状況を見ていきたいと思います。
※2020年1月18日に2019年版に改訂しました。
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専門学校隆盛時代があったが、現在は大学優勢
上のグラフは宮城県の大学・短大・専門学校の入学者の推移です。1990年代は大学よりも専門学校が多い時代がありましたが、大学が少しずつ増加して、現在では大学が最も多いです。人数は少ないですが、短大がここ数年微妙に増加しています。
※2019年は大学も増加しましたが、専門学校が大きく盛り返しています。
私立大学が伸びる
増加分は私立大学が多いです。東北の他の県だと公立大学が伸びているところもありますが、宮城県は主に私立大学が増加分を担っています。私立大学は東日本大震災の時期にはやや減少しましたが、それ以外の時期は増加しています。
※2019年は私立大学が過去最高水準(過去最高ではないがほぼ同じくらい)になっています。
大学地域別分析(宮城県の大学はどの地域から入学しているのか)
関東比率が高まる国立大学
宮城県の国立大学は東北大学と宮城教育大学ですが、規模の上では東北大学の占める要素が強いです。そういう視点で見るとやはり旧帝大ということで地元の比率が低くなっています。特に最近は関東地方の比率が初めて30%を突破しています。
※2019年は関東地方が大きく伸び、東北地方の比率に大きく近づきました。
東北地方比率が高い公立大学
公立大学は宮城大学ということになりますが、こちらは国立大学と異なり、東北地方の比率が非常に高いです。
※2019年はほぼ横ばいですが、若干東北地方の比率は低下しています。
東北比率が高まる私立大学
私立大学に関しては、他の東北の県と同様に東北地方の比率が高い上に、年々その比率が高まる傾向にあります。ここ数年だけは若干東北比率が下がり、関東比率が上がっています。入学定員厳格化の影響だと推測されます。
※2019年はほぼ横ばいです。
大学進学先分析(宮城県の高校からはどの地域に進学するか)
ここ20年はほぼ固定の国立大学
ここ20年は東北約70%、関東20%弱という状況が続いています。
※2019年はほぼ横ばいです。宮城県の国立大学は関東地方の比率が上昇していることを考えると東北大学から東北各県の国立大学に流れているようです。
甲信越に行かなくなった公立大学
東北地方に公立大学が設置される前後で数字が異なります。東北地方に大学ができるまでは甲信越地方への進学が多かったのですが、地元に大学ができるとほぼ進学しなくなりました。ただし、ここ数年は新しい公立大学が長野県を中心に設置されたこともあり、少しずつ数字が伸びています。
※2019年はほぼ横ばいでしたが、甲信越地方は前年同様復活傾向です。
意外にも変化の少ない私立大学
私立大学はあまり変化がありません。宮城県には当初からある程度私立大学が存在していたということが大きいです。とはいえ、少しずつ東北比率が高まってはいます(5%前後ですが)
※2019年はほぼ変動ありません。
高卒進学率は?
伸び続ける進学比率(総計)
宮城県はもともと私立大学や専門学校が多かったということもあり、現在でも順調に伸びています。
※2019年は進学比率が過去最高となりました。専門学校進学率が上昇しています。
短大が少し復活(女子)
女子だけに絞っても増加していますが、短大が入学者を増やしていることが進学率にも表れています。一方で他の地域は大学が伸びていることが多いですが、宮城県の女子の大学進学率は止まっています。
※2019年は専門学校進学率が4年ぶりに20%を超えました。
2010年代はほぼ横ばい(男子)
男子に絞ると2010年代はほぼ横ばいです。東日本大震災の影響で少し下がりましたが、回復してそこからは横ばいです。
※2019年は女子ほどではないですが専門学校進学率が上昇しています。