今回は大学改革支援・学位授与機構の「学校基本情報」をもとに、四国地方の国公立がどこから入学しているのかを見ていきたいと思います。
四国地方の国公立大学は以下の通りです。
国立大学
・徳島大学
・鳴門教育大学
・香川大学
・愛媛大学
・高知大学
公立大学
・香川県立保健医療大学
・愛媛県立医療大学
・高知県立大学
・高知工科大学
四国地方は公立大学が少ないです。
Contents
各大学はどこから入学しているのか
国立大学
地域 | 愛媛大 | 鳴教大 | 徳島大 |
北海道 | 0.7% | 0.0% | 0.2% |
東北 | 0.1% | 0.0% | 0.1% |
北関東 | 0.4% | 0.0% | 0.8% |
首都圏 | 2.2% | 0.0% | 1.6% |
甲信越 | 0.5% | 3.5% | 0.7% |
東海 | 2.8% | 6.1% | 4.4% |
近畿 | 8.4% | 28.9% | 34.3% |
中国 | 28.5% | 7.9% | 9.9% |
四国 | 52.5% | 49.1% | 44.6% |
九州 | 3.0% | 4.4% | 2.1% |
沖縄 | 0.6% | 0.0% | 0.5% |
自県 | 42.1% | 36.8% | 32.3% |
地域 | 香川大 | 高知大 |
北海道 | 0.5% | 1.2% |
東北 | 0.3% | 0.1% |
北関東 | 0.4% | 2.1% |
首都圏 | 1.2% | 4.6% |
甲信越 | 0.9% | 2.0% |
東海 | 3.5% | 8.4% |
近畿 | 13.4% | 19.4% |
中国 | 31.5% | 14.5% |
四国 | 44.2% | 41.1% |
九州 | 3.0% | 4.9% |
沖縄 | 0.6% | 0.7% |
自県 | 28.3% | 25.0% |
四国は四県ですがかなり地理的な影響を受けていることがわかります。まず本州四国連絡橋の状況を確認すると、東から徳島は淡路島を通して兵庫と、香川は岡山と、愛媛は広島とつながっています。
この違いが出身地に表れており、徳島県の徳島大学と鳴門教育大学は近畿比率が高く、愛媛大学は中国比率が高くなっています。そしてその間にある香川大学は中国比率が高いですが、近畿比率もやや高くなっています。
そして高知大学ですが、最も四国比率が低くなっています。本来であれば隣接地域から最も遠い高知県は四国比率が高くなるはずですが、高知県自体が人口規模が大きくないこと。さらには四国の四県もそこまで人口が大きくないことから他の地域から入学者がいると推測されます。
公立大学
地域 | 愛媛医療大 | 香川医療大 | 高知県立大 | 高知工科大 |
北海道 | 0.0% | 0.0% | 0.8% | 0.4% |
東北 | 0.0% | 0.0% | 0.3% | 0.2% |
北関東 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.7% |
首都圏 | 0.0% | 0.0% | 0.3% | 1.1% |
甲信越 | 1.0% | 0.0% | 1.1% | 2.4% |
東海 | 3.0% | 1.1% | 4.8% | 8.7% |
近畿 | 7.0% | 15.6% | 12.7% | 17.6% |
中国 | 9.0% | 5.6% | 10.1% | 12.9% |
四国 | 78.0% | 76.7% | 62.0% | 44.3% |
九州 | 2.0% | 1.1% | 5.9% | 9.8% |
沖縄 | 0.0% | 0.0% | 1.1% | 1.6% |
自県 | 75.0% | 71.1% | 44.2% | 26.1% |
四国の公立大学は4つしかありません。しかも徳島県には公立大学がありません。さらには愛媛と香川は医療系の大学しかないと非常に分野に偏りがあります。
それで見ていくと医療系の2大学は四国比率が高く、高知県にある大学2つが四国比率が低くなっています。その分を近畿地方、中国地方で補っているという形になっています。特に高知工科大学は半分以上が四国外から入学しています。高知工科大学は私立大学の公立化の走りとなった大学ですが、確かに公立化して大成功だったのではないかと思います。
学部別にはどうなっているのか?
四国は大学が少ないので単科大学以外すべて見ていこうと思います。
香川大学
香川大学 | 四国 | 自県 |
教育学部(教員養成) | 58.8% | 47.3% |
医学部(4年) | 49.4% | 31.3% |
経済学部 | 49.0% | 27.0% |
法学部 | 40.8% | 20.4% |
経済学部(夜間主) | 40.0% | 40.0% |
創造工学部 | 39.9% | 24.3% |
農学部 | 39.1% | 25.5% |
法学部(夜間主) | 33.3% | 33.3% |
医学部(6年) | 33.0% | 27.5% |
四国の大学も他の地域と同じく文系学部で四国比率が高く、理系学部で四国比率が低くなっています。香川大学に夜間主コースがあって、四国比率が低くなっていますが、入学自体が一桁のため、あまり比率に意味はありません。
徳島大学
徳島大学 | 四国 | 自県 |
総合科学部 | 67.8% | 52.3% |
歯学部(4年) | 58.8% | 41.2% |
生物資源産業学部 | 57.1% | 38.1% |
理工学部(夜間主) | 55.6% | 40.0% |
医学部(4年保健) | 46.8% | 34.9% |
医学部(4年栄養) | 46.2% | 32.7% |
薬学部(6年) | 42.4% | 18.8% |
理工学部 | 37.5% | 27.8% |
歯学部(6年) | 35.0% | 25.0% |
医学部(6年) | 28.1% | 22.8% |
徳島大学は医療系の学部のラインナップが四国の中で最も豊富です。しかも上で見た通り近畿地方からの距離も非常に近くなっていますので、それらの学部が四国比率が低くなっています。
意外なところで行くと総合科学部は他の大学にはない学部で他の地域から入学があるかなと思ったのですが、徳島大学の全学部の中で最も四国比率が高くなっています。
愛媛大学
愛媛大学 | 四国 | 自県 |
医学部(4年) | 74.2% | 74.2% |
法文学部(夜間主) | 71.1% | 59.8% |
教育学部(教員養成) | 69.1% | 55.2% |
社会共創学部 | 66.5% | 54.3% |
法文学部 | 54.4% | 42.8% |
医学部(6年) | 50.9% | 46.4% |
工学部 | 47.7% | 38.0% |
理学部 | 37.4% | 23.8% |
農学部 | 35.9% | 28.2% |
愛媛大学は四国の中で比較的人口の多い松山市にあるということで最も四国比率が高くなっています。それでも理系学部は3分の2が四国外から入学しているという状況です。
高知大学
高知大学 | 四国 | 自県 |
教育学部(教員養成) | 57.8% | 37.8% |
人文社会科学部 | 48.3% | 28.6% |
理工学部 | 43.3% | 25.9% |
地域協働学部 | 41.7% | 28.3% |
医学部(4年) | 34.4% | 21.3% |
医学部(6年) | 30.9% | 23.6% |
農林海洋科学部 | 24.6% | 11.6% |
高知大学は上に書いた理由で四国外からの入学が多いです。その中でも医学部の4年制の看護学科においても四国比率が低くなっています。教育学部以外は全学部で半分以上が四国外からの入学となっています。
高知県立大学
高知県立大学 | 四国 | 自県 |
文化学部(夜間) | 79.2% | 66.7% |
社会福祉学部 | 67.6% | 39.2% |
文化学部 | 66.4% | 50.0% |
健康栄養学部 | 52.3% | 31.8% |
看護学部 | 50.6% | 40.0% |
高知県立大学は高知大学が四国外からの入学がいることを補っているような関係となっています。高知大学だけでは気づきませんでしたが、この高知県立大学があることで高知県の志望者が分散しているという見方もできます。さすがに公立大学ということもあり、全学部で四国比率は50%以上となっています。
高知工科大学
高知工科大学 | 四国 | 自県 |
経済・マネジメント学群 | 59.0% | 37.3% |
環境理工学群 | 38.9% | 22.1% |
システム工学群 | 38.3% | 21.1% |
情報学群 | 36.4% | 20.9% |
最後に高知工科大学です。高知工科大学は経済・マネジメント学群だけが文系学部で、それ以外は理系学部となっています。その理系学部は非常に四国比率が低くなっており、学費の面から上に書いた公立化の恩恵を受けていると考えられます。