北関東の国公立大学はどこから入学しているのか

今回は大学改革支援・学位授与機構の「学校基本情報」をもとに、北関東地方(茨城県・栃木県・群馬県)の国公立がどこから入学しているのかを見ていきたいと思います。本当は関東地方全体にしたかったのですが、大学数が多くなりすぎるので分けました。

北関東の国公立大学は以下の通りです。

国立大学
・茨城大学
・筑波大学
・筑波技術大学
・宇都宮大学
・群馬大学

公立大学
・茨城県立医療大学
・群馬県立県民健康科学大学
・群馬県立女子大学
・高崎経済大学
・前橋工科大学

公立大学は県によって設置数が全然違いますね。

Contents

各大学はどこから入学しているのか

国立大学

地域群馬大茨城大宇都宮大
北海道1.0%2.2%2.6%
東北3.8%12.5%18.0%
北関東57.6%52.4%50.3%
首都圏21.2%18.8%15.5%
甲信越7.9%3.8%4.6%
東海4.4%5.6%2.8%
近畿0.5%1.3%1.2%
中国0.9%0.9%0.9%
四国0.2%0.4%0.4%
九州0.8%1.1%1.0%
沖縄0.5%0.6%0.3%
自県46.3%46.1%38.4%
地域筑波大筑波技術大
北海道2.4%4.3%
東北6.1%5.8%
北関東19.5%7.2%
首都圏38.6%30.4%
甲信越6.9%8.7%
東海7.6%13.0%
近畿6.1%17.4%
中国3.3%1.4%
四国1.6%4.3%
九州5.0%5.8%
沖縄1.1%1.4%
自県14.3%4.3%

北関東比率の高い順に並んでいますが、上段と下段で大きく傾向が異なります。群馬大学、茨城大学、宇都宮大学の3大学は北関東比率が50%を超えていますが、筑波大学と筑波技術大学はむしろ首都圏の比率が高くなっています。

筑波大学はもとの東京教育大学を廃止して、新たに新設されたものなので、茨城県にあるとはいえ、首都圏に近い存在であるといえるでしょう。サッカーの鹿島アントラーズが首都圏のサポーターが多いのと似たような感じですね。

また、筑波技術大学は視覚障害、聴覚障害のある方を対象とした大学ですので、自然と人口の多い首都圏の比率が高くなります。

公立大学

地域群馬県民茨城県大群馬女子
北海道0.0%2.3%2.9%
東北0.8%3.5%12.4%
北関東81.4%77.2%61.4%
首都圏4.2%3.5%10.0%
甲信越6.8%3.5%7.6%
東海3.4%4.7%2.9%
近畿0.8%2.3%1.0%
中国0.8%2.3%0.5%
四国0.0%0.0%0.0%
九州0.8%0.6%1.0%
沖縄0.8%0.0%0.0%
自県70.3%74.3%45.7%
地域前橋工科高崎経済大
北海道0.0%5.7%
東北6.6%16.2%
北関東42.1%36.4%
首都圏17.9%10.2%
甲信越17.2%16.8%
東海9.3%9.3%
近畿2.8%1.0%
中国1.7%0.3%
四国0.7%0.8%
九州1.0%1.3%
沖縄0.3%0.1%
自県27.2%25.7%

北関東の公立大学は5大学中4大学が群馬県内にあります。茨城県には1大学かつ医療系の単科大学で、栃木県には公立大学はありません。

群馬県内にある公立大学も設置分野によって北関東比率は大きく異なります。やはり医療系の単科大学は北関東比率が高くなり、それ以外の分野を持つ前橋工科大学と高崎経済大学が低くなっています。高崎経済大学については公立大学独自の中期日程を設置していることによって他の地域から集めていることも推測されます。

学部別にはどうなっているのか

ここでは筑波技術大学以外の国立大学について見ていきたいと思います。

茨城大学

茨城大学北関東自県
教育学部(教員養成)65.0%60.4%
工学部(夜間)60.5%48.8%
人文社会科学部55.4%50.3%
農学部48.8%41.1%
理学部46.8%40.4%
工学部46.2%39.0%

茨城大学には医学部がなく、文系学部(人文社会系と教育学部)と理系学部(理・工・農学部)に分かれています。その中でも理系学部の比率が低くなっているというのは全国的によく見られる傾向であり、茨城大学も例外ではありません。

筑波大学

筑波大学北関東自県
医学群(6年)28.3%24.2%
人文・文化学群26.3%21.1%
医学群(4年)25.5%22.3%
理工学群24.8%16.7%
人間学群19.5%12.7%
生命環境学群18.6%13.3%
総合学域群17.6%12.9%
情報学群16.2%13.0%
芸術専門学群14.3%11.2%
社会・国際学群13.2%11.4%
体育専門学群10.5%5.1%

筑波大学は学部別にみても総じて北関東比率が低いです。学部別にも他の大学にみられるような文系が高く、理系が低い傾向はそれほど強くありません。むしろ芸術専門学群や体育専門学群などは国立大学にあまりない学部であり、これらの学部は全国から入学者が集まってきていると推測されます。特に筑波大学はサッカーやラグビーの強豪校としても知られており、これらの競技を専攻する学生が集まっています(サッカーはユースチームからよく進学しています)。

宇都宮大学

宇都宮大学北関東自県
共同教育学部(教員養成)68.6%56.6%
工学部51.4%39.3%
農学部49.0%36.0%
地域デザイン科学部37.6%27.7%
国際学部33.7%22.8%

宇都宮大学は文系学部の構成がやや他の大学と異なります。教育学部は群馬大学と共同での設置となっていますし、地域デザイン科学部は既存の文系学部と工学部の建築系学科を中心とした分離融合の学部となっています。また、国際系の学部も国立大学の中では珍しい部類に入ります。

そういったことから理系学部よりも他の地域の比率が高くなっています。

群馬大学

群馬大学北関東自県
共同教育学部(教員養成)79.1%73.6%
医学部(4年)58.8%43.8%
情報学部54.1%42.6%
理工学部53.3%39.8%
医学部(6年)41.7%35.2%

最後に群馬大学です。群馬大学は医学部を有していますが、医学部の北関東比率は最も低くなっています。これは首都圏の学生が進学しているためです。確かに群馬県の周りを見ても、隣接する栃木県にも埼玉県にも国立大学医学部はありません。そこで首都圏から比較的近隣にある医学部として選択されていると推測されます。

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